アレルギー性鼻炎の新しい治療法、治療薬など

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花粉やハウスダストなど多数の原因物質によって引き起こされるアレルゲンの特定不可能なアレルギー性鼻炎など、過剰な免疫反応によるアレルギー症状に苦しむ患者が増加しています。それに伴って、新しいアレルギー治療薬や新しい治療法により、完治が期待できるようになってきました。

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ーアレルギー性鼻炎の治療ー

薬物療法としてアレルギー性鼻炎に対して抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤、抗ロイコトリエンが使われてきました。鼻閉の症状緩和にはステロイドの点鼻薬に即効性があり、ステロイドを使用している間は免疫力が高まりますが、漫然と使用すると副腎皮質でのホルモン産生能力低下により免疫力の低下につながります。

鼻炎薬としては、抗ヒスタミン剤に血管収縮剤が配合したものが販売されていますが、現在のところ、最も人気のある第二世代の抗アレルギー剤では眠気の起きないタイプの薬(アレグラなど)も出ています。市販薬に含まれている充血防止のための血管収縮剤の長期服用によるリバウンドの症状として、脳の毛細血管が鬱血するという面倒な副作用が起こります。これらは単なる対症療法で、アレルギー体質の根本的な解決には至っていません。

現在でも一部の耳鼻科では鼻粘膜の全てをレーザーで焼くという方法が取られています。これによって過剰な免疫反応を起こす部分を除去してしまえば炎症が抑えられるというものですが、鼻粘膜の本来の感染防止の機能さえ失ってしまいます。手術後1年ほど経過すれば粘膜は再生されますが、鼻粘膜本来の生理機能は取り戻せないといわれています。

ーアレルギー性鼻炎の新しい治療法ー

アレルギーの治療法として、かつて減感作療法と呼ばれていた注射によるアレルゲン免疫療法がありましたが、最も新しい保健適応の治療法としては、スギ花粉症の舌下免疫療法として、2014年11月に治療薬「シダトレン」が販売されて患者に使用されています。

これによって注射のための通院は不要になり、舌下に置くだけで自宅で簡単に行える免疫療法として現在普及している治療法です。長年の臨床試験を経て、最も確実な治療法として確立されつつあるもので、約80%の患者に有効で唯一アレルギー性鼻炎の完治が望めるというものです。

今後のアレルギー治療法として、アレルギー性鼻炎に限らず、食物アレルギーや気管支喘息などを含め、免疫細胞でもある制御性T細胞の発見により免疫系の暴走を制御できることが判明しました。とはいえ、これでアレルギー治療の方向性が示された程度に過ぎませんが、「アレルギーを起こす物質にあえて接触することで、制御性T細胞を増やす事ができる」ということが分かってきました。

これは従来のアレルゲン免疫療法と大した差はありませんが、免疫系のメカニズムがある程度解明されたという理解で構わないと思います。制御性T細胞による治療が最新のアレルギー治療法と言われていますが、IgEの作用を特異的に阻害する「ゾレア」という新薬がアレルギー炎症反応を抑えるという意味では、この新薬が最新の治療薬とも言えます。

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  1. 2017年 2月 11日
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