薬物依存症という処方薬依存と断薬の必要性  | 家庭医学の知識大百科「ヘルスカレッジ」~家族を大病から守るためのサイト~

薬物依存症という処方薬依存と断薬の必要性 

kensa

薬物依存といえば違法薬物の依存症が思い浮かびますが、違法薬物の場合は「一度だけの使用」によって人格の退行が起きるため理性や自己制御力も失ってしまいます。自分の意思では止められなくなり人生を狂わせることになります。そして精神科などの医療機関でも診療拒否を受ける事になり、悪循環を繰り返すことは避けられません。

しかし、それ以上に精神科領域で処方される保険適応の向精神薬や睡眠薬、ある種の抗うつ剤などが原因となり、医師による薬剤管理の怠慢が重なった結果、長期連用や過剰な服用量によって処方薬依存という医原性の中毒性疾患が引き起こされます。

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ー医原性疾患をもたらす薬剤中毒ー

向精神薬は主に症状を抑える薬として使われています。社交性不安障害であったり、適応障害などのストレスに対応できずに身体症状が出てくるというタイプの患者や、統合失調症などの患者に対症療法として処方される薬です。

マイナートランライザーとは異なって、向精神薬と言われるメジャートランキライザーは精神安定作用が強いため精神的に楽になりますが、作用と副作用や依存性は比例すると思って服用する方が無難です。また、長期間服用するほど依存性は強くなります。そして、薬剤耐性がつくと以前と同じ用量では効かなくなるため服用量が次第に増えていき、さらに依存性が増えるという悪循環に陥ります。

中枢神経系に作用する薬であれば、抗精神病薬に限らずマイナートランキライザーでも依存性が形成される場合があります。ベンゾジアゼピン系の安定剤や睡眠導入剤に毒性は皆無で致死量もありませんが、薬としての本来の効果よりもテンションを上げるために使用されることがあります。他には少しでも心の平穏を得たいという理由であっても、薬に依存してしまうと必要のない場合でも習慣的に服用してしまうようになります。

ー処方薬の薬物依存に陥った結果ー

薬物依存に陥った患者に対して医師は減薬していくことを試みますが、症状の元になる疾患が解消されていないので患者は減薬に納得できず、せめて強い不安を無くそうと薬に頼ります。または安定剤とは別の作用を期待して服用する患者もいます。

これらは医師の漫然とした投薬が招いた薬物依存なのですが、他の病院の処方箋を使い他の調剤薬局で処方してもらったり、ネットで購入しようとする場合があります。そして、結果的に医師や薬剤師の管理が行われなくなるということになります。

向精神薬による薬物依存症の場合は、精神科に入院して認知行動療法によって薬物依存を減らしていくことができますが、それが患者本人にとってプラスになるのかどうか?という問題も出てきます。ベネフィットがリスクを上回っている限りその薬は患者にとって必要なものです。これに対して、断薬を押し付けることが正しいのかどうかということは、患者の側に立つと強制できるものではないはずです。

神経疼痛のオピオイドにしても、うつ病患者向けに処方されるメチルフェニデートにしても、精神的安定をもたらすエチゾラムなどの処方薬にしても、その処方の仕方に於いては医療の在り方が問われるのかもしれません。

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