メラノーマ(悪性黒色腫)の危険性と新薬ニボルマル | 家庭医学の知識大百科「ヘルスカレッジ」~家族を大病から守るためのサイト~

メラノーマ(悪性黒色腫)の危険性と新薬ニボルマル

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メラノーマはがんの中でも最も悪性度が高いと言われています。皮膚がんの中でもほくろと見分けがつきにくい自己免疫性疾患の一つで致死率が高く全身に転移することがあります。発症すると周りの正常な皮膚を含めて切り取るという外科手術が一般的に行われてきましたが、進行度に合わせた新しい治療法が行われています。

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ーメラノーマとは?-

メラニン細胞は酵素を使い血液からメラニン細胞を作ります。その細胞をメラノサイトと言いますが、細胞に有害な紫外線から身を守るために体細胞の色を濃くするということを行っています。そのメラノサイトががん化したものがメラノーマといわれるものです。最初の大きさは5ミリ以下ですが、次第に大きくなっていくとメラノーマの可能性が出てきます。

ほくろは色素性母斑ともいわれており、がん化することはありません。メラノサイトががん化する場所として、皮膚をはじめとして口腔内にもできますが、摩擦や圧迫などの刺激が原因となって足の裏に出来ることが多くなっています。背中にもできる事があるので要注意です。

性差では女性の方が少し多くなっています。50代から70代に最も多く見られます。しかし、5年生存率が10%程度といわれて致死率が高いメラノーマも、現在では免疫機能に働きかける治療法で治癒率が30%に上がっています。

ーメラノーマの特徴と初期治療ー

一見してほくろにも見える悪性の皮膚がんなので、その後の対応次第では全身に転移する可能性があります。皮膚に症状が出れば、ほくろとメラノーマの区別が必要になります。メラノーマの場合は、一か所のメラノーマの色調が異なる・左右が非対称である・長い部分が6ミリ以上ある・大きさの変化がある、などが分かりやすい判断基準です。

検査ではダーモスコピーによる視診により、ほとんどの場合判明します。画像診断ではエコーからPETまでフルに使用されます。血液検査では腫瘍マーカーでがんの進行度がわかります。皮膚がんの厚さでは潰瘍が無い場合、2ミリ未満が初期とされています。転移しやすい悪性の腫瘍のため、手術の際は腫瘍の端から正常な皮膚を1センチほど余計に切り取ります。

転移すると体中の臓器がガン細胞に侵されるため、リンパ節の生検を行いますが、リンパ節に転移していればリンパ節の切除を行います。さらに先のリンパ節まで転移していればそのリンパ節も切除するという治療法が一般的です。

とにかく生検を続けながら転移が見つかれば切除するという繰り返しで、切除したあとは化学療法によって転移を防止するという治療や、免疫療法、インターフェロンによってがん細胞の増殖をおさえることも現在行われています。

ー新しい治療法、抗PD-1抗体ー

他の臓器への転移が見つかった場合はステージⅣになり、切除を繰り返しても意味がありません。がん細胞は免疫細胞に対して抑制作用を持つため、その免疫抑制作用を阻害する抗PD-1抗体(一般名:ニボルマブ)の点滴で治療が行われています。現在ではメラノーマの治療薬として承認されていますが、他の肝臓がん、子宮がん、転移先の非小細胞肺癌にも効果があるため、今後は適応症が広がっていく薬です。

免疫療法は世界中の医師に認められないという経緯もありましたが、日本製のPD-1(ニボルマブ)の治療効果の高さから、米国の新しい抗がん剤の治験は全て中止されて、ニボルマブに切り替えるよう勧告が行われました。従来の抗がん剤と違い、がんの持つ免疫抑制機能を阻害する抗体なので、副作用の脱毛や痛みが起きず効果が持続するというのが特徴です。

承認を受けたのはメラノーマの適応症ですが、肺の非小細胞がんや腎臓がんにも効果があり、有効率は現在のところ20~30%のタイプのがんを縮小させるだけでなく消失させることも可能になっています。化学療法や放射線治療を併用するとさらに高い確率で治癒するのではないかといわれています。

先進医療では陽子線の照射が保険適応外で288万円かかります。放射線治療ではガンマナイフが保険適応ですが、放射線量の多さと後の発がん率の高さから、あまりお勧めしたくない治療法かもしれません。

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