
脳疾患が関係するめまいは少ないのですが、長期間持続するめまいと意識障害や言語障害、運動麻痺、知覚麻痺などを併発した場合は、脳が関係する中枢性めまいの可能性が高くなってきます。脳卒中や脳腫瘍などもめまいを起こす原因になるので、脳疾患の可能性を考えた上で検査を行うことが必要です。特に聴神経腫瘍は脳腫瘍が関係している可能性が高くなっています。 スポンサードリンク
ーめまいの種類と症状ー
よくあるめまいとして、回転性めまい、浮動性めまい、立ちくらみ(眼前暗黒)がありますが、これらは良性のめまいで、回転性めまいの場合は眼振があるので、鏡で眼球の動きを見ればわかります。
浮動性めまいはふらつきが起きる程度でストレスが関係していることが多くなっています。稀に脳幹や小脳の異常もありますが、一過性の血圧上昇であったり、血圧の変動による身体症状としてのめまいがあります。血圧の変動の場合は、降圧剤と利尿剤を併用すると不快な症状は簡単に治まります。
立ちくらみは血圧の変動によっても起きますが、主に起立性低血圧によって起きる症状です。稀に意識が遠のくといったことも起きますが、一時的なものが多く少し休むだけで回復します。
ー危険な中枢系めまいの原因ー
上記のめまいの症状の原因としては、三半規管などの内耳の疾患によって起きる末梢系めまいと、脳の異常による中枢系めまいに分類されて、中枢系めまいは生命に関わることがあります。
中枢系めまいとは神経症状を伴うめまいのことで、脳幹や小脳、大脳皮質の前提皮質の異常などが考えられます。体幹失調による歩行障害のある場合は、小脳虫部という体の平衡感覚を調整する部分の異常が考えられます。この場合の疾患としては小脳の出血や小脳の委縮、発育不全、小脳の脳腫瘍などが主な原因となります。
ー中枢系めまいの症状と検査ー
中枢系めまいの場合、めまいが持続するのが特徴で、症状が軽くなった場合でも何度も繰り返してめまいが起きます。また、脳圧の亢進によって酷い吐き気や頭痛を伴います。この場合、耳鳴りや難聴がほとんど起こらないのが特徴です。
中枢性頭位めまいでは、頭の位置を一定の位置に持ってきた時だけめまいなどの症状が出るのが特徴で、めまいが止まる事はありません。それ以外の神経症状が出てくると意識障害を起こす事があります。持続するめまいに続いて、吐き気や意識障害があった場合は生命に関わる脳障害を起こしています。
診療科は耳鼻科や神経内科ではなく、脳神経外科を受診して早急な検査と治療を行う必要があります。原因は何であっても、意識障害があれば救急車の要請レベルです。
小脳や脳幹の異常によるめまいの場合であれば、症状として浮動性めまいを起こすのが特徴で神経症状を伴うため、脊椎脳底動脈不全では動脈硬化や、小脳や脳幹の脳血管障害が原因と考えられます。その場合は、MRA(MRアンギオ)による脳血管撮影の画像診断で原因が判明することがあります。
頸椎脳底動脈不全症の場合、脳血流改善剤やプロスタグランジンE1の投与によって血管拡張と血流改善を図ります。一時的な吐き気止めとしてトラベルミンが使われることもあります。

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