
人間の免疫力の約50%は腸内環境に依存しています。腸内の1,000種類1,000兆個以上(諸説あり)にわたる細菌叢のバランスを意味する「腸内フローラ」は色々な意味で知られています。その腸内の有害物質を排出することをデトックスと呼ばれ、大幅な減量にもつながるため現在ではちょっとしたブームになっています。
しかし、水素水商法のように、科学的に根拠のない疑似科学と言うものが多く存在しています。 スポンサードリンク
ーかなり危険なネット情報ー
デトックスとは有害物質を排出して有用菌を腸に植え付けるようなものです。とはいっても、デトックスの意味はわかっても具体的なやり方がわからない。という人は多いと思います。そういうところに付け込んだ妙な業者がいると、とんでもない情報を信じ込むことになります。民間療法的な情報は地雷を避けながら草むらを歩くようなものです。
腸の中を有用菌で満たしながらエサのオリゴ糖などで繁殖させればいいのですが、その前の段階としてデトックスのためのぷち断食を行います。腸内にはヒトに有害な物質が溜まっているという説があります。重金属や内分泌攪乱物質で腸壁がコーティーングされているのか真偽のほどはわかりません。宿便自体存在しないという説や3.5キログラムあるという具体的な数字を出してくる人もいます。
△ 「腸は第一の脳」とおっしゃる人もいます。それじゃ、頭についているのは第二の脳でしょうか?
× 一般人の研究によると「悪玉菌は水銀を溜めて、腸内環境を悪化させる原因になるとのこと。蓄積していった結果、必須ミネラルの吸収が妨げられる」という説があります。
この状態でCTスキャンをすれば腸内の金属に反応してアーチファクトでも見られるのでしょうか。腸内に溜まったヒ素や水銀を排出ではなくて、腸内環境を整えると重金属が排出されやすい腸になるそうです。しかし、重金属も人間に必要なものが多くあります。
× 悪玉菌の増えた腸内環境はどんなサプリを使っても改善に半年~2年はかかる。
○ せめてダイエタリーファイバーとオリゴ糖と乳酸菌+ぷち絶食で数日で済ませましょう。
× アトピー性皮膚炎の患者の皮膚には黄色ブドウ球菌が異常繁殖して、食中毒の起因菌にもなっている。
○ 表皮ブドウ球菌はどこにいったのでしょう?
× アトピーの場合、抗生物質の抗菌治療は薬の力が強力すぎて、体の常在菌や善玉菌まで殺菌してしまう。
○ 抗生物質は細菌の増殖を阻害しますが、抗菌作用はありません。ダイレクトに効く抗菌剤なら善玉菌まで殺菌しますが、30分経過すれば元の常在菌が分布していた状態に戻ります。薬用せっけんで皮膚を洗っても細菌は死滅しますが、すぐに細菌の拮抗状態は復活します。
ー腸内環境に話は戻ってー
乳酸菌の中でも善玉菌といわれて「ビオフェルミン」に代表されるビフィズス菌、フェーカリス菌、アシドフィルス菌をはじめとした、腸内細菌や常在菌、腸内で繁殖できずに通過するだけの細菌までありますが、人間にとって有用な菌で腸内を満たすということが必要になります。
一度、難消化性デキストリンで腸内の中性脂肪を掻きだして空にして、その後に乳酸菌群やオリゴ糖で有用菌の繁殖を促して、腸内を善玉菌だけにしようという試みなのでしょう。
× パラミロンはユーグレナ社が2014年8月に特許出願。リンパ球のサイトカイン産生のパターンに影響して免疫バランスを調節する可能性が示唆されたとのこと。
○ 免疫バランス調整の可能性が認められて、特許申請が認可されたというニュアンスとは異なるように感じます。
△ 青汁やミドリムシのクロロフィルとパラミロンにも効果がある可能性があります。
興味のあったデトックスでしたが、科学的な根拠を示すものが少なく、行き着く先はあおぢるの販売サイトという結果です。腸内環境をよくするために有効かもしれませんが、説得力のある説明ができないというのも問題です。

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