酸素の生理作用と中毒症状   | 家庭医学の知識大百科「ヘルスカレッジ」~家族を大病から守るためのサイト~

酸素の生理作用と中毒症状  

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「100%の酸素は甘い」などという人もいますが、それは酸素の怖さを知らない人の言葉かもしれません。酸素は生命活動に必要な生理作用を持った気体ですが、安全な気体ではありません。人間は酸素を吸って生きながら活性酸素から逃げているという地球上でも珍しい生き物です。

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ー酸素が人体に与える影響-

人体などの有機物が酸化した場合は腐敗します。有機物の酸化が「腐敗」に対して無機物の酸化は「腐食」です。
酸化は活性酸素によって体の一部で起こりながら、加齢とともにゆっくりと腐敗していきます。もしかすると、そのほんの一部の腐敗臭が加齢臭の原因かもしれません。

電子が不足している活性酸素に対して、抗酸化物質としてマイナスイオンやアルカリ性の食品などがあります。抗酸化物質は以前にアンチオキシダントと呼ばれて、全て電子が余っている物質です。というわけで、人間の健康のために必要な物質といえば「電子」です。これさえあれば老化も起きません。水溶性のビタミンCで細胞質のダメージを減らして、脂溶性のビタミンEでは細胞質の酸化防止。網膜や硝子体はメラトニンで酸化防止です。

ともかく酸化防止のためのサプリやら、コエンザイムQ10 の酸化防止作用、眼の健康にはブルーベリーのアントシアニンで酸化防止。植物性抗酸化色素のフィトケミカルも流行っています。全て電子を与える性質のあるもので、とにかく酸素は敵のような扱いを受けているのが現状です。

ー窒素は安全な気体?-

安全な気体は窒素?と思った方、酸素がある限り、窒素酸化物という怖い化合物もあります。窒素中毒というものも存在します。

窒素中毒は意外と耳にすることのない中毒症状かと思いますが、主に不活性ガスでもある窒素ガスの圧力が高い場合に体内で一酸化二窒素が生成されるため、窒素中毒という症状名が付いています。これは、窒素酔いとも言われて、加圧された空気を吸うことで窒素分圧が上昇。一酸化二窒素N2Oという麻酔にも使われる笑気ガスが発生することが原因で、酔ったような状態になるのが主な症状となっています。(ただし、大気圧では起こりません)

ー酸素を加圧した場合ー

酸素濃度が高い場合、酸素分圧が高いほど中毒を起こしやすくなります。100%酸素でも1気圧ではそれほど問題になりませんが加圧するほど危険度が増していき、次第に死に至ります。高圧酸素治療は患者の症状によっては危険なレベルまで圧力を上げる事もあります。

一酸化炭素中毒やガス中毒、末梢血管障害、低酸素脳症など例を挙げるとキリがありませんが、その場合は救急措置として酸素カプセルに入れて100%酸素を加圧します。加圧に10~15分、減圧に同じく10~15分の時間をかけて、治療気圧は最高3気圧になっています。これによって最大20倍の酸素を取り込むことができるというものです。

治療上であれば役に立つこともある酸素ですが、圧力が高いほど体内で活性酸素(電子を奪う酸素)が大量に発生します。体内で作られる活性酸素のスーパーオキシドアニオンはO2-で、酸素の電子が不足している代表的な活性酸素が体内に大量に発生することになります。最も酸化力の高いヒドロキシラジカル・OH基は過酸化脂質の連鎖反応を起こした末に、脂質の酸化により細胞膜を損傷させて、呼気内の窒素を有害な窒素酸化物に変えてDNAを傷つけることになります。

また、活性酸素は肺に障害を与えるだけでなく、免疫細胞のマクロファージにダメージを与え、無気肺、肺水腫、肺のコンプライアンス低下を招いたり、肺胞の出血や肺水腫を起こすことがあります。無気肺も代表的な肺の酸素中毒症状です。

大気圧の場合でも、高濃度の酸素により細胞や組織が障害を受けます。肺が最も酸素中毒の影響を受けやすい臓器で、安全範囲とされている40%の濃度の酸素では日中変動の大きさも原因となり、安全な酸素濃度も個人差があるため判断が難しいといわれています。

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