人食いバクテリアの感染症の症状と、生死を分ける早期治療

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毎年増加している感染者数と、その原因の人食いバクテリア(劇症型溶血性連鎖球菌とビブリオ・バルニフィカス菌)。ありふれたA群溶血性連鎖球菌の中でも劇症化する菌が危険な状態をもたらし、四肢の壊死や多臓器不全に至り30~50%の致死率という感染症では、初期の抗生物質の選択が予後を左右するといわれています。

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◇溶連菌感染症の症状と治療

A群溶連菌は、子供が感染することで咽頭炎やとびひを起こす細菌として知られているものです。かぜのような症状が出たのちに治癒するため、原因がわからないままというケースが多くなっています。

A群溶連菌に感染すると、初期症状として喉の痛みや発疹、発熱などが起きます。通常は咽頭炎を起こすことが多く、ひどい喉の痛みに加えて喉に真っ赤な発疹が出るのが特徴ですが、出ない場合もあり「単なる風邪」という診断をされることがあります。

咽頭炎や扁桃炎は小学生の児童に多く、感染者は年間25万人を超えるほどポピュラーな細菌で、一部の人は常在菌として保菌しています。少し重い疾患ではリウマチ熱や急性糸球体腎炎がありますが、耐性菌も少ないため通常の抗生物質の投与で治癒します。

◇A群β型溶連菌感染症の症状と治療

そして、多くの病原因子や毒素を持つ、劇症型A群β型溶連菌(化膿レンサ球菌)に感染症すると、四肢の疼痛を初期症状として数十時間以内に手足の壊死やショック、溶血を起こして多臓器不全などの代表的な症状が出てきます。溶血によって感染部分の皮膚や粘膜が真っ赤になるのが特徴。四肢の壊死を起こし始めると、切断して感染拡大を防ぐことになるので早期の治療が必要です。

A型溶連菌は耐性を持たないため、βラクタム系のペニシリンやセフェム系でも十分事足りますが、効果が無ければマクロライド系、またはテトラサイクリン系が使われます。劇症型A群β型溶連菌の場合はリンコマイシンが有効とされています。自己免疫性疾患や免疫抑制剤を使用している場合は劇症型A群β型溶連菌に感染するリスクが高まります。

◇もう一つの人食いバクテリア

ビブリオ・バルニフィカス(Vibrio vulnificus)という腸炎ビブリオに似た性質を持つこの菌は、海水や汽水域の魚介類を汚染。ヒトが加熱しないで食べた時に感染することが多く、海水温が20℃を超えている時に貝類が汚染されやすいので要注意。ステロイドの連用をしていたり免疫力が低下している者が感染すると発症しやすく、敗血症や壊死性筋膜炎などの全身性疾患を起こすため、壊死した患部を切除しない限り48時間以内に全身の溶血と筋膜の壊死を起こして死亡するという、タイムリミットのある感染症です。

国内での感染例はほとんどなく、敗血症によって全身感染を起こした場合は75%が死亡するという統計結果ですが、肝障害の持病があったため壊死性筋膜炎を起こして悪化したというもので、健康な人であれば重症化の心配はいらないとのこと。

潜伏期間は24時間以内で、悪寒、下肢の皮膚の痛みや発赤、発疹などが初期症状として見られるので、成人はテトラサイクリンが第一選択肢となっています。A群β型溶連菌と同じく四肢の壊死が起きるので、壊死した組織を切除することで救命措置を行います。

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