「焼肉に感染」する、カンピロバクター菌と耐性菌の増加

yakiniku

食中毒菌として注意を呼びかけられている細菌として、食中毒菌指定のカンピロバクター菌があります。汚染された食肉から感染が広がるので要注意です。個人差はありますが、わずか100個程度の菌で発症する場合もあります。通常は重症化しないのがこの細菌の一般的な症状ですが、2015年3月には焼肉のバイキングで女子中学生が感染して食中毒を起こして死亡したというニュースもあります。

スポンサードリンク



◇身近な危険のカンピロバクター

カンピロバクター菌は、主に鶏肉や、牛や豚のレバーに感染しています。猫や犬も保菌しているので、触れたヒトの手が感染源になります。生食によって鶏から80%が感染を起こし、豚肉、鶏肉、牛肉の加工の際に胆汁やレバーからの感染が起こります。

通常、加熱した食品からは感染を起こしません。75℃以上で中心部分を1分間加熱すればほとんどの細菌は死滅するとはいえ、完全に殺菌することは難しいかもしれません。例え1分間加熱したとしても、焼けていない鶏肉に接触すれば焼肉に感染(付着)します。それを食することで感染して発症するので、感染の危険が大きいと思われます。

鶏肉の加工処理施設での感染率より市販の鶏肉の感染率が高いという調査結果から、鶏肉を扱う際に付着したようです。また、鶏肉を加熱してもトレーにカンピロバクター菌が付着していることで感染は避けられないかもしれません。年間ではのべ1億5000万人が感染しており、生の鶏肉での感染が80%を占めています。

◇感染症状と耐性菌

下痢や腹痛、発熱、嘔吐、頭痛、倦怠感など、通常の感染型細菌性食中毒とほとんど同じです。ほとんどが1週間以内に治癒します。感染後数週間経過すると、稀にギラン・バレー症候群を発症することがあり、手足の麻痺・顔面神経麻痺。呼吸困難などの症状が出て重症化することがあるので、致命的な状態になることも考えられます。

小児や高齢者など抵抗力の低い年齢層や、基礎疾患を持っている者、免疫力が低下している者、自己免疫性疾患の患者で免疫抑制剤を使用している場合などは感染しやすく、重症化しやすい傾向があります。

患者によっては治療を行わなくても自然治癒することがあるので、必ずしも抗生物質が必要というわけではありませんが、症状が長引く場合や血液に感染を起こして敗血症などの症状が出れば、抗生物質の使用が必要になります。しかし、最初からセフェム系抗生物質に自然耐性を持っている細菌であり、ニューキノロン系に対しても耐性菌が増加しているといわれます。

ということで、マクロライドの登場となって、現在ではマクロライドが一般的に使われています。効果が無ければアミノグリコシド系のゲンタマイシンやバンコマイシンと同じ作用機序のホスミシンが使われることになりそうです。感染力が強く、変異を繰り返すカンピロバクター菌が近い内にちょっとした脅威になるかもしれません。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサードリンク







関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

スポンサードリンク

お役に立てたらいいね!

ページ上部へ戻る