100℃で4時間煮込んだ料理中でも生き残るウェルシュ菌 

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ヒトの腸管に存在しているウェルシュ菌は、ヒトの腸内細菌叢の常在菌として主要な存在の腐敗菌で、ビフィズス菌と拮抗状態を構成する悪玉菌として有名なものです。腸内で繁殖しているだけであればいずれ排出されるので、それほど凶悪な細菌でもないのですが毒素を出すとヒトに様々な症状が現れます。

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◇一般的な悪玉菌のウェルシュ菌

この悪玉菌の代表的存在のウェルシュ菌は、12種類の恐ろしい毒素を産生すると言われています。A型菌のアルファ―毒素は組織を破壊するガス壊疽タイプで、大腸に常在している時はガスが臭い程度で、便秘が続くと腸管を刺激しますが、腸管の蠕動と伴に排出されるので危険性はありません。しかし、この菌を吸い込んで肺に入れてしまうと生物兵器なみに危険なものになります。

β毒素もα毒素と似たような性質で、組織破壊を起こして壊死性腸炎を起こす時の毒素です。感染すると下痢を起こすので、腸内に留まっている時間は短く、1~2日で体内から排出されるので、短時間で腸管の壊死が起きるわけではありません。エンテロトキシンを放出するとは限らず、基本的に感染型のため、ウェルシュ菌の発生の仕方によって毒性は異なってきます。

また、常在菌とはいっても保菌率は成人でも0.7%程度で、鶏や豚、牛肉から感染します。主に小腸で増殖することが多く、筋が胚芽型に変化する時にエンテロトキシンという毒素を出して下痢などの症状を起こします。

◇加熱処理に耐える「給食菌」

熱に強い特性を持った嫌気性の細菌なので、加熱処理が行われた加工食品の中で生き残り、温度が下がってくると大量に増殖する性質を持ちます。集団感染を起こす場所としては、衛生管理が行われている給食や飲食店、仕出し料理店、旅館などの意外なところの食材の中で繁殖するという変わった細菌です。100℃で4時間加熱しても芽胞は生き残っています。「加熱処理すれば大丈夫」という従来の常識を覆すような性質を持った細菌です。

加熱処理を行ったあとに温度が下がると急に増殖するので、加熱処理後に冷凍しても生き残っています。加熱の後に常温でおいていた場合は急な増殖を起こします。特に前日に加熱処理して作り置きした給食に多く見られるので、「給食菌」と呼ばれることもあります。

下痢や腹痛を起こしますが、主に小腸でエンテロトキシンという毒素を出すので、嘔吐は滅多に起きません。近い所から出すのが人間の本能です。下痢が続くと発熱することもありますが、発熱も滅多に起きないという変わった細菌です。

◇裏をかいて2回加熱すると?

家庭では「一晩寝かせた熟カレー」に危険性が高まります。嫌気性のためジャガイモやニンジンなどの根菜にウェルシュ菌が付着している事が多く、煮込んで他の菌が死んだ後に50度以下になると急に増殖を始めるという性質を持っているので、要注意。

長時間煮込んで作り置きして密閉容器に入れておけば大丈夫、という安心感の裏を突くタイプだけに、対処法としては、ウェルシュ菌が芽胞の状態で熱に耐えている時は殺菌できません。50度以下になって増殖を始めた頃に再び過熱すると全て殺菌できます。厚労省が推奨する完璧な殺菌方法にウェルシュ菌は含まれていないようです。

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