
胃が定位置より下がって、へその辺りまで下がるとお腹がでてしまいます。酷い人では骨盤まで下がることもあります。胃の上部の位置に変化はないので、胃が伸びただけであって異常ではありません。レントゲンを撮るときには胃が写らないという状態になって、初めて気付く人がいるようです。 スポンサードリンク
◇胃下垂の原因と症状
現在では機能性胃腸症と呼ばれて、胃腸の症状があるとしても機能的な異常がない場合を指しますが、慢性胃炎や神経性胃炎、胃痙攣なども含みます。胃を支える筋肉や脂肪が少ないと胃が下がってしまう事があります。特にやせ形や長身の人に多くなっています。
胃アトニ―は胃壁の筋肉が正常に働いていない状態で、胃の働きも鈍くなりたるんでいる状態です。胃下垂は胃の周りの筋肉が衰えていることで、胃アトニ―を併発して、さらに胃下垂が悪化することがあります。
暴飲暴食やストレス、過労が原因になって胃が下に伸びることによって食物が胃の中に残っている時間が増えます。それに加えて胃酸による消化も遅れるので小腸に届くまでに時間がかかります。
◇胃下垂になると太らない
痩せすぎると腸壁の脂肪が不足して腹圧が減少します。胃の消化が悪くなると胃酸不足で食物が溜まったままになるので小腸への移動に時間がかかり空腹感を感じない状態になります。それだけでなく、胃の蠕動が抑えられるか全く動かない状態になるので、消化不良を起こして30%程度の消化率に下がります。
それで太る事もなく細長い体型になりますが、腹筋の筋力低下によって下腹部がぽっこりと出ることもあります。少量の食事で満腹感を感じるようになると、食後の胃のもたれや胃酸によるむかつき、上部腹痛を起こします。
疾患が原因になるものでは、甲状腺機能亢進症やごく稀に脳下垂体不全を伴っていることもあると言われます。(脳下垂体不全は滅諦に起きることがない難病なのでほとんど関係ありません)
胃アトニ―を併発していると、通常は十二指腸の下にある小腸が上になります。そして胃の蠕動が不足すると小腸に送られないまま消化不良を起こして胃に障害が出てきます。
◇痩せ体質のデメリット
お腹ではなくて下腹部に胃が下がるので、細身でも下腹部が出てくるとともに、脂肪層の薄い下腹部に胃が移動することで胃が冷やされて、その周りの臓器(子宮・前立腺・膀胱)が冷やされて尿が出にくくなり、冷え性や不妊などにもなります。
痩せるために胃下垂にしようとする人もいますが、食欲が減って太らない体質になるだけで、胃酸による胃の障害やその他のデメリットの方が大きくなります。
悪化すると治療の必要が出てきますが、自ら出来るリハビリや漢方薬(補中益気湯)で完治すると言われています。胃酸過多気味で下腹部が出ている人は治療しましょう。胃下垂は病気扱いではないので病院に行っても保険適応にならない可能性があります。
ただし、胃アトニ―を併発している場合は治療の必要があり、保険適応になっています。ちなみに、乳幼児も胃下垂ですが、筋肉の発達につれて胃は正常な位置に戻るので治療の必要はありません。

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