急性胃拡張の原因と、意外と知られていない危険度

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食べ過ぎによる腹部膨満感とは違い、胃の筋肉が麻痺することで胃から食物を腸に押し出す事が出来なくなります。そして、胃に溜まって行きどころがなくなると、嘔吐や脱水症状やショック症状を起こす事のある危険な病気です。急性の腹部膨満感が症状名で、急性胃拡張という病名はありません。おそらく症状名でしょう。

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◇急性胃拡張の原因と症状

急性胃拡張が発症する原因としては、胃の筋肉が痙攣して蠕動しなくなるとその先に押し出す事が出来ず、胃が膨らんできます。内容物が胃に停滞したままの状態で、胃の容積が大きくなったわけではありません。

胃がんやガスの溜まり過ぎが原因となって急激に起きる器質的な胃拡張がありますが、糖尿病性神経症に罹ると胃の蠕動運動が低下します。他にも尿毒素や心因性の食欲不振や横隔膜の異常、肝硬変など、周りの臓器から脳血管障害まで関係してきます。抗コリン剤やNSAIDまで関係してくるようです。手術後の感染症が原因になる場合もあります。

自覚症状としては嘔吐が主な症状であって、嘔吐物が大量であるのが特徴なので、誰にでもわかるような他覚症状でもあるようです。腹部の張りや頭痛、めまい、倦怠感、腰痛などに加えて胃粘膜の潰瘍や穿孔、壊死に至ることもあります。胃が破裂すると死亡することもあります。腹部膨満感は病気ではありませんが、症状が出てくれば膨満感を感じながら食事をするのは避けて病院で検査を受けることをお薦めします。

何らかの基礎疾患があるのが胃拡張なので、胃が膨張した時点で他の臓器を圧迫することがあり、呼吸困難の症状が出ることもあります。ピロリ菌が原因で胃拡張になることはありません。

◇急性胃拡張の種類

胃が横に張っていく形で拡張すると最大5倍まで膨らみます。縦に伸びる形では4倍程度に膨らみますが、下に伸びていくので胃下垂と胃拡張の混合型になります。胃下垂で食欲がないのに無理に食べようとするとガスが溜まる事で結果的に胃拡張になります。

縦と横に拡張するタイプは、胃の容積が6倍程度に膨らみます。周囲の臓器を圧迫しながら押し返されて正面にお腹が出てきます。胃の周辺の脂肪と筋肉で6倍に拡張しようと皮膚の限界まで耐えてくれるようです。超えると破裂します。

過食の場合は食いすぎると吐きますが、十二指腸に押し出されていかない胃拡張は、不思議なことに破裂寸前まで食べることができるようです。破裂しなかった場合は2日分の内容物を大量に吐くことになります。腹八分ではなくて胃の容積の100%を超えれば胃拡張の初期段階になります。

◇急性胃拡張の治療

急性胃拡張はレントゲンやエコー検査で判明します。急性胃拡張に対する処置としては、胃の内容物を吸引することが先決になることもあります。まだ余裕があれば急性胃拡張の原因疾患を探して、原因疾患と胃拡張の両方を治療するので、検査が必要になります。

耐えられる範囲で原因疾患を先に治療していくのが一般的です。

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