妊娠高血圧症候群、黄体ホルモンが与える悪影響の数々 | 家庭医学の知識大百科「ヘルスカレッジ」~家族を大病から守るためのサイト~

妊娠高血圧症候群、黄体ホルモンが与える悪影響の数々

zosei

妊娠高血圧症候群とは過去の妊娠中毒症と微妙に似ています。妊娠中期を過ぎて高血圧と蛋白尿、浮腫(浮腫・週に500g以上の体重増加)の一つ以上あれば妊娠中毒症とよばれていたものが、胎児に蛋白尿と浮腫は影響しないため省かれました。現在では胎児に影響する症状だけがリストアップされて、高血圧とそれに伴う症候群があれば妊娠高血圧と言われています。

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◇蛋白尿と浮腫は無関係?

蛋白尿だけであれば「妊娠蛋白尿」、浮腫みがあれば「妊娠浮腫」に分類されています。高血圧であれば浮腫みがあっても不自然ではないので、妊娠浮腫に分類する意味はわかりませんが、妊娠中の一時的な症状ですよ、と言いたいのかもしれません。

蛋白尿や浮腫みがあろうと、どちらにしても胎児に影響はないので便宜上の分類ということでしょうが、深部静脈血栓症が原因で浮腫が起きることがあります。妊婦の30%に見られる浮腫とはいえ、その原因が問題になります。通常は高血圧が原因で浮腫が起きますが、妊婦は同じ体勢を取る事で大静脈が圧迫された結果、浮腫が起きます。黄体ホルモンのプロゲステロンの濃度増加も浮腫を起こす原因になります。

浮腫があると血流を改善させようとして血圧が上がっていきます。妊娠中は血液の量も1.4倍に増えるので、浮腫も起きやすく高血圧になりやすい体になっています。その結果、胎児の血管形成に障害が出てきます。結局、浮腫が胎児に与える悪影響は大きいのですが、なぜか省かれてしまったようです。

◇妊娠高血圧の基準と影響

高血圧が原因として腎機能に障害が起きると蛋白尿が出ます。蛋白尿も高血圧を表す指標になりますがあまり重要視されていないのでしょうか。高血圧になると食塩感受性が低下するので、減塩してもそれほど変化はありません。妊婦の場合は妊娠初期から急激にエストロゲンとプロゲステロンの濃度増加によって、特に食塩感受性が下がります。

元々高血圧であれば食塩感受性が下がっているのでさらに下がる事になります。そのため、減塩や降圧剤の効果はあまり期待できません。食塩以外で高血圧が起きると考える方がいいでしょう。深部静脈血栓症の傾向があれば末梢血管の抵抗性が上がって血圧を上げて無理に流そうとした結果、高血圧になります。この場合、浮腫があれば高血圧になりやすいと言えます。高血圧が先か、浮腫が先かという問題にもなりそうです。

降圧剤としては、カルシウム拮抗剤もアンジオテンシンⅡ阻害剤も使われません。カルシウム拮抗剤(ノルバスクやアムロジンなど)が使われた時期もありましたが、今ではメチルドパやヒドララジンが降圧剤として使われます。

エストロゲンとプロゲステロンの濃度変化が高血圧や高血糖に与える影響は大きく、更年期に似たホルモンバランスになり、プロゲステロンの濃度は妊娠中は10倍以上に上がるので体の不調は限りなく出てきます。浮腫や、妊娠性歯肉炎などの炎症性疾患や骨粗鬆症、免疫力低下にともなう感染症も増えます。

妊娠中では、胎盤安定のためのホルモンとして黄体ホルモンープロゲステロンの濃度が上がると精神的なダメージを受けやすくなり、感情の起伏も激しくなります。閉経後に増えるホルモンが妊娠中に増えたらイヤな気分にもなるというものです。

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