大気中の微粒子など環境汚染による健康被害

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大気中を舞う粒子状物質PM(Particulate matter)とは、μm単位の大きさの粒子のことで、工場からの排煙や灰、黄砂などの物質を指しています。PM2.5は微細粒子状物質の一つで、アフリカから始まって、中東から極東まで帯状に広がっているのが特徴です。

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◇近所迷惑な汚染物質

日本の被害は主にディーゼル機関の排気や工場から排出される大気汚染物質による、粒子状物質PMによって呼吸器疾患や肺がんなどを引き起こします。国内ではこの粒子状物質の排出は規制を受けて、生活環境でも見られないほど減少しています。

浮遊粒子状物質のSPMは、PM2.5より大きめの10マイクロメートル以下の微粒子で、過去は日本でも自動車の排気ガスに含まれて大気汚染の原因になっていましたが、現在では国内では排出されていません。主に呼吸器に悪影響を与えて、肺がんや呼吸器アレルギーの原因になっています。

◇上海だけではないPM2.5

微小粒子状物質としてPM2.5が主なもので、SPMより肺の奥まで入り込むため、健康被害は大きなものになっています。肺胞にダメージを受けたり肺がんの原因にもなっています。PN2.5の日本国内の成分組成として、硫酸イオンが25%、次いで硝酸イオン18%、アンモニウムが12%などとなっています。

大陸性高気圧によって、中国から気流にのって流れ込んでくる微粒子は、飛距離が1,000キロメートルを超える事が観測されています。この微粒子の中には石炭燃焼後に発生する鉛やヒ素、硫酸イオンが多く、冬は硝酸イオンが増える傾向にあると言われています。大陸からの距離によって地域差があり、関西に多く関東に少ないという状態になっています。

◇COPDまで悪化させるPM2.5

粒子の直径が小さいほど肺の奥に達して悪影響を及ぼしているだけでなく、肺気腫や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの基礎疾患を持つ者は、悪化しやすい傾向にあります。肺炎や肺がんのリスクも当然大きなものになります。

鼻粘膜に付着または刺激すると鼻炎やアレルギー性鼻炎を起こす原因になっています。他に喘息を引き起こしたり、循環器への影響もあるという報告もあります。心疾患では不整脈などの心機能へ与える悪影響や血管内の凝固や血栓形成に関係している可能性もあります。

台湾や韓国では、中国の土壌粒子として黄砂の被害が大きいため、呼吸器アレルギーや呼吸器疾患、心疾患が増加することが問題になっています。粒子状物質の排出量は経済レベルに比例しており、発展途上国では187μg/m2、中進国70μg/m2、先進国では53μg/m2となっています。

環境省が定めた危険度はレベルⅠの場合、呼吸器疾患を持っている人に健康被害が及ぶことがあるので、体調の変化に注意する事。レベルⅡでは、不要な外出は避けて、屋外での運動を出来るだけ減らすこと。体調に応じて慎重に行動すること。などの行動の目安が暫定的な指針として定められています。

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