肺サルコイドーシスの症状と、治療の必要性

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サルコイドーシスは全身性の肉芽腫ができる難病ですが、北海道に特に多い疾患になっています。全身の肉芽腫や炎症性の臓器疾患が起きるのが特徴です。いつ治るかわからない漠然とした炎症性疾患で、半数は呼吸困難を伴います。

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◇肺サルコイドーシスの症状

スカンジナビア半島にも多く見られる疾患で、日本では最北の北海道に異常に多くなっています。寒さが影響するのか乾燥した空気が悪いのかはっきりしていません。経験的には空気の乾燥やVDT作業が目に影響してぶどう膜炎を起こしますが、早めの治療で短期間で治癒します。皮膚炎や三叉神経痛、心臓とともに肺サルコイドーシスは始終起きているのが特徴です。

アクネ桿菌が抗原となり、免疫反応による肉芽腫形成があると考えられています。しかし、明らかな原因は相変わらず不明のままで、遺伝的要因や体質の問題、環境の問題があると考えられています。考えられているだけであって、実証できた仮説は何もありません。

肺の肉芽腫はリンパ管の周囲に分布するリンパ管の細気管支、血管周囲、胸膜や肺細胞に見られます。肺のサルコイド肉芽腫は70%が自然消失するのが一般的で、灰に病変がある場合は10%~30%が不可逆的な肺の病変があると言われます。肺の線維化が起きる確率は2.5%前後です。

ハイリスク因子として、慢性ブドウ膜炎や慢性高Ca血症、40歳以降での発症、進行性肺サルコイドーシス、神経サルコイドーシス、慢性呼吸不全などがあります。5%未満は病変悪化によって死亡、心筋病変によるものが死因の77%を占めています。特に不整脈が起きると致命的になります。

◇肺サルコイドーシスの検査と治療

胸部X線による画像検査では肺門部のリンパ腺腫が発見されることがあります。血液検査では、アンジオテンシン変換酵素(ACE)が高い確率で上昇します。肺の生検が診断上必要になることもあります。

難病申請は難しく、肺の炎症程度では認められません。心臓ではペースメーカー埋め込みが難病認定基準になっています。治療では経過観察が主になり、60%が自然治癒すると言われて、30%が進行性や慢性に移行するといわれて、残りの5%程度が死亡。感染症ではないので、神経質になりすぎる必要もないと言われますが、確立した治療法どころか、原因さえ不明であって自然治癒を待つしかないのが現状です。

全身の病変が経過中に95%は肺病変があるといわれて、ステロイドの使用は一時的に病変の消失をもたらすものの、長期的には効果があるかどうか不明です。呼吸困難があれば随時ステロイドが使われます。咳や息切れが初期症状として出てきますが、進行性の瘢痕化は滅多に出来ません。肺に重度の障害が起きると心臓に負担がかかるようになるので、右側心不全を起こすことがあります。

治療法は対症療法だけになるのでそれ自体は必要ですが、生命の危険に及ぶ可能性があれば入院治療となります。治癒の兆候として、左右対称の肺門リンパ節腫の腫脹と結節があれば予後はよくなります。

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