ライ症候群の症状とインフルエンザの解熱鎮痛剤の選択

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インフルエンザウィルスに感染した時に、アスピリンを使用した子供が、嘔吐、けいれん、高熱や意識障害を起こす症候群の事で、特に欧米で多かった小児の副作用です。日本国内では13歳未満の小児にはアセトアミノフェンが使われているので、アスピリンと比較すると16分の1の発症確率に抑えられています。

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◇インフルエンザと似た症状

そもそも日本では小児用のアスピリンは市販していないので、ライ症候群は滅多に聞くような副作用ではないですが、過去に小児用バファリンの鎮痛成分がアスピリンの頃はインフルエンザ脳症としてライ症候群の患者が見られました。

ライ症候群の症状はインフルエンザ脳症と似たようなもので、インフルエンザがいつまで経っても治らないということが多く、治ったと油断した時に突然の意識障害が出ることで死亡していたので、ライ症候群の症状自体が判りにくいものです。インフルエンザで鎮痛剤を使った時は注意深く見る必要があります。

インフルエンザが治りかけているように見えても、けいれんや意識障害が出てくるのでその時点で判明しますが、アスピリンを服用した場合はアスピリンの代謝物のサリチル酸によって肝障害が起きているのが原因で肝臓に脂肪の蓄積が見られます。脳の障害に加えて肝臓の重い障害が出ています。インフルエンザのように自然治癒することがないので予後は悪くなります。

◇小児用バファリンの成分

以前は小児用バファリンや大人用のバファリンも同じ成分でアセチルサリチル酸(アスピリン)でしたが、小児用バファリンはアスピリンからアセトアミノフェンに変更されました。アスピリンは少量で血栓予防になるので、脳梗塞の危険性のある高齢者が使っていましたが、アセトアミノフェンに変更になったのを知らずに血栓予防として服用していた高齢者の脳梗塞が増えたという事もありました。

というわけで、アセトアミノフェンに変更になる前は、日本でも小児がライ病に罹る事がありました。サリチル酸がミトコンドリアに損傷を与えるので、内臓などの筋肉を動かすエネルギーとしてのATPが不足すると障害が出てきます。アスピリンに限らず、抗けいれん薬のバルプロ酸Naやテトラサイクリンなども原因になります。

抗けいれん剤のバルプロ酸Na(デパケンのシロップ剤)や抗生物質のテトラサイクリンは小児に対して緊急時に用いられることのある薬剤なので、インフルエンザの症状や二次感染防止に対して用いられた可能性もありそうです。

◇インフルエンザで解熱鎮痛剤を?

インフルエンザで高熱が出て意識レベルが低下したりけいれんがあると、熱を下げる必要が出てきます。欧米では鎮痛剤といえばアスピリンが大衆薬として一般的なものです。ウィルス感染だからといって熱を下げない方がいいとは限りません。

インフルエンザで頭痛があれば鎮痛剤を使いますが、解熱成分が含まれない鎮痛剤はありません。そこで米国では解熱鎮痛剤をアセトアミノフェンに変更したところ、ライ症候群の小児が減少したということです。

ライ症候群の小児に治療法はありません。対症療法として脳圧を下げる程度なので、インフルエンザかライ症候群かわからない状態に陥る前に、頭を冷やしたり腋の下を冷やすことが最も重要ですが、他に原因がないのに熱が下がらない場合はライ症候群を疑いましょう。

ちなみに、成人であればライ症候群が起きても肝障害の程度がひどくないので、治ります。

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