薬で過剰にセロトニンを分泌させて起きる、セロトニン症候群とは?

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セロトニンの濃度が上がることで、精神症状の錯乱状態をはじめとした各種症状が出てきます。通常はトリプトファンの摂取により、セロトニン代謝系で小腸で作られるホルモンですが、薬剤として脳内のセロトニン濃度を上げた場合に出てくる症状のことをセロトニン症候群といいます。

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◇セロトニン症候群とは?

11種類のセロトニン受容体の中の5HT1A・2A受容体が関係して体温上昇が起きたり、ノルアドレナリンやドーパミンも同時に関係してセロトニン症候群という症状が出てきます。

全ての受容体は中枢神経系に関係するものなので、体温調節や、不安、神経抑制、神経興奮、睡眠、摂食、血管収縮・拡張、肺血管収縮、平滑筋収縮、神経興奮、長期記憶、嘔吐、消化管などに関わるものであり、過度に自受容体に作用すると脳をはじめとした症状が出てきます。

・自律神経症状では、体温上昇、発汗、心拍数上昇、吐き気、下痢など。
・神経や筋肉症状では、筋強剛、振戦、ミオクローヌス、緊張と緩和、下行神経系。
・精神症状が最も顕著に表れるもので、混乱、錯乱、興奮、昏睡などが出てきます。

◇選択的再取り込み阻害剤とは

神経伝達物質のセロトニンは、受容体に結合するとセロトニンとして作用します。その後取り込まれると再び作用することはありません。セロトニン濃度を上げるための手段としては、前駆物質のトリプトファンを摂取するのが一般的ですが、トリプトファンを含む食物を摂ったところで95%はキヌレン酸に代謝されて、残りの数パーセントが5HTを経由してセロトニン代謝系でトリプトファン→セロトニン→メラトニンといった代謝が行われます。

トリプトファンは植物や豚肉、牛乳などに多く含まれているので、セロトニンを増やそう!と考えても、膨大な食事量が必要になります。そのため、手軽にセロトニン濃度を上げるための再取り込み阻害剤が使われています。

SSRIなどの抗うつ剤が代表的なもので、「セロトニン選択的再取り込み阻害剤」と言われる理由は、セロトニンが受容体に届いて作用したのちに受容体に取り込まれるのを阻害して、セロトニンを再利用するというものです。セロトニンはその間も小腸で作られているので、結果的にセロトニン濃度が上がります。SNRIはノルアドレナリン受容体の再取り込み阻害を行うものです。セロトニンやノルアドレナリンは幸福感を感じる物質として知られています

◇なぜセロトニン濃度が上がるのか?

体内に不足しているかどうか調べないまま、薬を使ってセロトニン濃度を上げようとするのが問題で、過去にはMAO阻害剤が抗うつ剤として使われていましたが、SSRIと同時に飲むとセロトニン症候群が起こります。抗うつ作用のある薬剤との併用は禁忌なので、処方間違いを起こさないために、現在ではMAO阻害剤の適応症はパーキンソン病だけになっています。

SSRIだけの場合は既定の服用量では滅多に副作用は起きませんが、大量摂取した時には起こりやすくなります。他の薬の相互作用として作用が増強されるものはトリプタン製剤や鎮咳去痰剤のメジコン(デキストロメトルファン)やMRSAの抗生物質リネゾリドなどで起こります。グレープフルーツに含まれるフラノクマリンは肝臓での薬剤の分解を阻害して、SSRIを大量に飲んだ場合と同じような状態になります。

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