もやもや病 ~最も日本人に多い脳血管の遺伝的疾患~  

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もやもや病という病名は、脳血管撮影の際の画像所見によるもので、単に脳底部に出来た異常な血管網がタバコの煙のようにもやもやして見えることから付いた病名。日本で発見された疾患で、患者もアジアに多くなっています。妙なネーミングですが、国際的にも(moyamoya disease)と呼ばれています。

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◇もやもや病の主な症状

発病率は年間10万人中0.5人以下とはいえ、家族性で遺伝子が関与する疾患のため、日本人の家族間では7分の1の確率で発症します。発症する年齢としては、5歳前後の小児と30代~40代に多く、男女比は1:2.5で女性に多くなっています。また、小児と成人では症状が異なってきます。

小児の場合は、脳梗塞により一過性の脳の血流不足が起きて、脳の細い血管が徐々に詰まっていくことで新生血管が増えてきます。それがもやもやした形になるのが特徴で、脳梗塞により脳の血流が不足して片側性の手足の麻痺が出てきます。他の症状として過換気やけいれん発作、話しにくさなどの症状が現れています。虚血発作は過呼吸によって悪化して、意識障害や感覚異常、けいれんなども起きてきます。朝に吐き気を伴って酷い頭痛を起こすことがあるのも特徴です。

30代~40代の成人でも脳梗塞による虚血状態であれば小児と同じ症状が出てきます。成人の場合は脳出血を起こしやすく、出血を起こした場所に虚血による症状が出ます。これは大量の血液を送るための新生血管が細いため出血を起こすもので、出血を起こす場所によっては致命傷になる事があります。

◇もやもや病の発症原因

もやもや病の原因遺伝子はRNF213ですが、この遺伝子により発症するとは限らず、発症しやすい性質があるという事に過ぎません。この遺伝子を持つ者は、東アジアの中国・韓国・日本に限定されて、欧米人には見られません。

特に日本人に多く、RNF213という感受性遺伝子を持つ日本人は90%以上で、韓国79%、中国23%という割合です。の検出により発症リスクが259倍に上昇するといわれ、RF213の中の特定の型をモニタリングすることで早期発見と早期治療や予防につながるというのが、現在の日本での主な治療方針になっています。

◇早期治療の必要性

腫瘍マーカーではなく、遺伝子マーカーにより異常が発見されれば血行の再建手術を行うことで、障害を残す事なく治療が可能とのことです。小児の場合は予防治療が容易であるものの、成人では血行再建手術自体にリスクが大きく、脳出血の原因にもなる可能性があるので、5歳までの小児のうちであれば、脳梗塞は予想されるものの脳出血は避けられるので、発症前に治療を行うことが望ましいとされています。血圧のコントロールや過度な運動を避けるという指導も行われます。

この遺伝子マーカーによる予防は一次予防であり、二次予防として、頭痛を繰り返す場合はMRAによる血管造影やDNA鑑定を行い、SPECTやPETなどを駆使して血管の3D画像による検査などが行われます。

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