高校で新学習要綱に基づく薬教育始まる。テーマは「医薬品と健康」

kukuri

2013年から新学習要綱に基づいた「医薬品と健康」のテーマで先発品とジェネリックの違いや薬の承認制度、販売規制などについての学習が始まっています。過去は薬の飲み方などの基本的な知識を身につけるために行っていたものですが、今ではやや高度になったようで、対象は高校1年から2年に引き上げたとのこと。

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◇何のための教育なのか?

セルフメディケーションの推進によって医療費抑制につなげるのが目的ということですが、全く意味のないことです。セルフメディケーションは推進してもいいですが、市販薬は簡単に手を出せるような価格でもなく病院で3割負担の方がはるかに安いということも教えるのでしょうか?例えば点眼薬(ステロイド・クラビットなどの抗菌目薬・緑内障・白内障など)は市販薬やネット販売では全て2,000円代ですが、眼科で処方してもらうと全て200円代です。

例えば、入社してVDT作業などでディスプレイを長時間見ていると、ブルーライトをカットしても疲れ目や充血は起こります。目薬の消費期限は1か月なので、ステロイドとクラビット各2本ずつ購入すると8,000円ですが、ジェネリックを処方してもらうと800円+診察料200円程度です。この価格差でセルフメディケーションはあり得ません。

◇誰のための医療費削減?

厚労省の医療費抑制につながるとは思いますが、市販薬を購入する側の負担は間違いなく増えます。国保の保険料を毎月支払っていながら市販薬を買う意味がわかりません。

鎮痛剤であれば市販薬でも仕方ない場合もあるでしょうが、ドラッグストアの販売員が「間質性腎炎の危険がありますよ」とは言わないはずです。販売員が知っているとは思えません。おそらく「胃に悪いですよ」などという程度でしょう。インフルエンザで薬局に行っても「アセトアミノフェンなら安全ですよ」などと言いそうです。

◇後発品は信頼できるのか?

先発品と後発品の違いの説明もあったようですが、ジェネリックが普及しない理由を生徒に質問したところ、「長期間使われている先発品は信頼性が高いから」という意見が出たそうです。これは全くその通りで、後発品は成分はほとんど同じですが作用が違います。溶出速度の違いは作用に大きく影響します。

後発品(ジェネリック)の場合、溶出速度の検査項目しかありません。後発品専門の薬品会社が厚労省に対して自主的に検査結果を提出していますが、自社で行った結果なので評価されるものではありません。結局、効能、効果については誰もチェックしないという現状があります。医薬品副作用救済制度により、後発品で健康被害が生じた場合は医療費が支給される制度があるのも変な話です。先発品の質の良さを裏付けているような印象もあります。

◇患者や販売員が知らない裏事情

実際の効果としては、先発品の20%~140%というばらつきがあります。薬剤師も医者も後発品の製薬会社も、この事実を積極的に公表しないのが問題になっています。そして消費者には「効果は全く同じ」という説明しかしません。溶出速度は同じですか?などと聞く消費者や患者もいないはずなので、この事実を知らない人は多そうです。

というわけで、大学病院の医師の70%以上は「ジェネリックは怖くて処方できない」というのが現状です。患者に「ジェネリックは全く効きません」と言われて処方しなくなった医師も多いです。全ての薬を一般名処方する医者は薬の溶出速度など知らないのかもしれません。

結局、高校生にセルフメディケーションを教えても中途半端な知識で終わりそうです。医薬品事情の裏の裏まで教えるとは思えません。

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