妊娠糖尿病の治療と、妊婦の糖尿病合併症の計画出産

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ホルモンの影響で妊娠時に血糖値が上がってしまうため、卵胞刺激ホルモン(女性ホルモン)のエストロゲンや、黄体ホルモンのプロゲステロンの濃度上昇によって高血糖になりますが、一時的なインスリン抵抗性によるもので、必ず糖尿病を発病するわけではありません。ただ、このエストロゲン減少とプロゲステロン上昇によるホルモンバランスの乱れから来る糖尿病は、更年期や閉経の時に発病するものと同じであるため、何らかの意味を持ったホルモンバランスのような印象も受けます。

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ー妊娠に関係する3種類の糖尿病ー

妊娠初期の血糖値が正常で、妊娠中にホルモンバランスが影響して起きた軽い糖代謝異常は「妊娠糖尿病」です。妊娠をきっかけに診断された場合は「糖尿病」です。妊娠前から糖尿病であった場合は「糖尿病合併妊娠」という面倒な区別があります。全てのケースで胎児と母体のために血糖値のコントロールが必要になります。

ー妊娠前から糖尿病の持病があった場合ー

妊娠前から糖尿病の治療を続けていた場合は血糖値をコントロールしながら医者と相談して「計画妊娠」を行うことが必要になります。妊娠計画の初期から服薬を中止してインスリン補充療法に変更しなければいけません。糖尿病の持病があると、妊娠が判明した時点で血糖値のコントロールを始めた場合は奇形の可能性が高くなり、死産もあり得ます。また、母体も妊娠に伴う糖尿病の悪化により合併症の危険があります。妊娠前から糖尿病の合併症があった場合は網膜と腎臓に与えるリスクを考えて定期的な眼底検査と腎機能の検査も必要になります。感染症のリスクも高まっていきます。

ー妊娠がきっかけで起きた糖尿病ー

妊娠糖尿病の場合は血糖値が正常に戻ることが多いのですが、妊娠をきっかけとして起きた一時的な軽い血糖値の上昇の場合もあり、妊娠時から出産に至るまで胎児に影響を及ぼさない治療が必要となります。妊娠をきっかけとして発病したとはいえ、出産後も糖尿病が続くこともあります。

ー妊娠時に判明した糖尿病ー

妊娠の際の検査で糖尿病と診断された場合は、それまでの血糖値コントロールができていなかったこともあり、インスリン補充療法による血糖値管理を行うまでに、母体と胎児に影響が出る場合があります。糖尿病の免疫力低下により、感染のリスクも増えているため、尿路感染症や膣炎の感染症を起こしやすく、腎炎を起こすと腎機能の低下が起きることになります。母体の眼底検査や腎機能の定期的な検査も必要です。

そして、全体的に起こるリスクとして、妊娠高血圧症候群として胎盤の早期剥離など高血圧との合併症により胎児に影響する症状があります。

妊娠時と更年期や閉経のホルモンバランスの悪化と同じ道をたどるのは、何を意味しているのか理解できない部分もあります。健康な場合でも母体が受ける影響は大きく、エネルギーを蓄えるためにインスリン分泌を行う母体に対して、胎盤がインスリン抵抗性を高めているのは、胎児にブドウ糖を与えるためであることから、母体は出産と同時に犠牲になる運命であれば利己的な遺伝子は男性と同じように女性にも存在するということになりそうです。

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