フグ毒の無毒化の意外な危険性と、疼痛緩和への応用

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フグ毒のテトロドトキシンは重量比では青酸カリの1000倍の毒性を持っていますが、養殖の場合は毒がないのが一般的です。日本近海で多い天然のトラフグやマフグでは、肝臓と卵巣、皮、腸などにフグ毒を持っています。自ら釣って調理した時にテトロドトキシンによる中毒を起こします。

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◇フグはフグ毒を作れない

フグ毒による中毒者は毎年50人前後と少なくなってきましたが、死亡者は現在でも数年に1人程度の割合で発生しています。今世紀に入っては、免許を持たない個人が自分で調理した場合に限り中毒を起こしています。

フグ毒といえばテトロドトキシンですが、実はフグ由来の毒ではなく、最初に微生物のビブリオ菌がテトロドトキシンを生成します。その微生物をヒトデや貝が取り込むことによる食物連鎖によって生物濃縮されるのが原因になっています。食物連鎖に関わっている魚はフグだけではないので、貝やヒトデを食べる海産動物には中毒の危険性があります。例えば、カニの一部にテトロドトキシンが含まれていることがあります。

◇養殖フグの意外な危険性

無菌下で養殖したフグは毒を持たず、テトロドトキシンは養殖フグにとっても有害な物質になります。養殖フグは基本的にフグ毒を持たないので、免許を持たないものが調理しても良さそうに思えますが、無毒フグでも調理には免許が必要です。1匹でもフグ毒を持った場合は他の養殖フグもフグ毒を持つようになるので、危険性は完全に排除されることはないと考える方がいいでしょう。

ただ、無毒のエサで養殖すると無毒になるものの、毒性を持たない事が原因でフグが寄生虫に感染しやすくなります。ある程度の毒はフグにとって必要であって、無毒化したフグはストレスが溜まることが判明しているので、フグは意図的に毒を求めるという習性があるようです。

◇フグ毒による中毒症状と対処

摂取した量や体重によって症状が現れる時間は異なってきますが、食後数十分~3時間程度で中毒症状が現れてきます。最初の症状としては、口唇部や舌に痺れが生じてきます。頭痛や腹痛、四肢の麻痺によって歩くことが困難になってきます。

嘔吐後に運動障害が出てくると知覚麻痺や言語発声能力に影響が出てきます。呼吸困難の症状が現れると、次第に全身が麻痺して、骨格筋の指間と血圧の低下と供に呼吸困難が一層悪化していき、意識の消失と脊椎反射の消失と供に呼吸停止に至ります。

処置を行わない場合はそのまま死亡しますが、人口呼吸を続けることで次第にテトロドトキシンが肝臓で分解されて回復していくのが一般的です。病院での治療では胃洗浄とアトロピンによって除脈に対する対症療法が行われます。

医療技術の改善によって死亡者は減ってきたものの、肝臓や卵巣を食べて軽い痺れを期待するものが無くならない限り、治療を受ける前に痺れが思ったより悪化して、呼吸困難に陥ったり死亡する者が減らないのは、妙な好奇心でフグ毒を食べようとするからであるといわれています。

臨床の場では、低濃度のテトロドトキシンの筋注が神経を阻害してがんの疼痛緩和に長期間にわたって効果があることから、副作用の無い疼痛緩和に役立つとされています。

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