遺伝的要因による自己免疫反応が原因と判明した「円形脱毛症」

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毛根は毎日100本ほど抜け替わり、同じ数だけ再生を繰り返して一定の本数を保っています。加齢と共に次第に細くなっていくものですが、頭皮の疾患でもある円形脱毛症は自己免疫疾患であり、現代人のストレスや痩身による女性ホルモンの減少などが影響していると考えられていましたが、ほとんど関係ないようです。

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◇円形脱毛症と乳がんの関係

自己免疫疾患とは、抗体が正常な細胞を異物とみなして攻撃することですが、円形脱毛症の場合はリンパ球そのものが毛根の周囲を取り囲んで、毛母細胞を攻撃することで脱毛が起きます。なぜ自分自分を攻撃するのか?という理由は明らかになっていません。

自己免疫疾患は女性に多く見られますが、その原因として妊娠中にマイクロキメリズムという現象があり、胎児から母体に細胞が移動することです。その結果、父親の遺伝子を受け継いだ細胞を異物とみなして免疫システムが攻撃するという、一種の自己免疫反応です。

マイクロキメリズムは悪い面だけではなく、遺伝的に遠い父親の細胞が混ざる事で男児由来の細胞では遺伝的要素の大きい乳がんの発症率が低く、結果的に乳がんの発生を抑制しています。乳がん発病歴のある母親はマイクロキメリズムが成立している確率は14%で、乳がんを発症していない母親は43%という大きな違いです。

したがって、男の子の細胞が混ざっている母親は乳がんになりにくいとはいえ、子供の細胞を異物とみなして攻撃すると自己免疫疾患を起こしやすく円形脱毛症が出来やすいということになります。

◇円形脱毛症の予防法は?

子どもの細胞が移行していることが原因で、自己免疫疾患として毛髪が抜けるので、出産後10年間は子どもの細胞が母親に残っている確率が高く、その間は注意しておく方がいいかもしれません。特にストレスとは関係なく自然治癒するものなので、予防薬として免疫抑制剤を使う必要はありません。仮に免疫抑制剤を使った場合、免疫力の低下で乳がんを発症する確率が上がってきます。

十円ハゲと乳がんはどちらかにしておきましょう。第一近親者に乳がんに罹った者が2人いれば乳がんの確率が高くなるので、免疫抑制剤は使えません。第一近親者に2人いる時点で乳がん抑制遺伝子の欠陥を治せばいいことです。

ともかく、十円ハゲは治ります。自覚のないまま進行して、自覚のない間に治っていることもよくあることです。といっても、他の人が気付いている可能性はあります。

◇それでは、治療法は?

毛母細胞がリンパ球で攻撃されるので、毛根は委縮したまま残ります。生え変わりを待つ方がいいかもしれません。不毛地帯の面積がそれほど広くない場合は生え変わりも早くなります。気付いたらハゲがなくなってる!というパターンもあります。

気になるのであれば植毛という手もありますが、ステロイドは使えなくなります。皮膚科では局所免疫療法を行うこともあり、皮膚炎とかぶれを繰り返すというもので有効率は60%程度と低いです。ステロイドは炎症を抑えて発毛させるというもので、注射した部分だけ発毛します。ステロイドも局所免疫療法も副作用がありますので、あまりお薦めできません。

やはり、市販の育毛剤を使うか、放っておくかのどちらかになるかもしれません。もし範囲が拡大するようなら皮膚科で相談してください。

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