近年増えてきた生魚に潜んでいる線虫、アニサキスに注意 | 家庭医学の知識大百科「ヘルスカレッジ」~家族を大病から守るためのサイト~

近年増えてきた生魚に潜んでいる線虫、アニサキスに注意

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国内の感染症の中で3番目に多いとされているアニサキスとは、クジラを最終宿主とする線虫で主に冬季に日本近海で捕れる生魚(約180種類)に寄生していることが多くなっています。食後2~3時間を経過すると胃壁や腸に穿入して、刺し込むような激痛が起きるのが特徴で、腸に寄生した場合は下痢や吐血を伴う事があります。

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◇アニサキスの感染と発病率

本来は人間に寄生する線虫ではないので、体内で成虫になったり産卵することはありません。魚の生食によりアニサキスの幼虫が人間の体内に入った場合でも、通常は便と供に排出されて人体に害を与えることは少ないと思われます。

食品衛生法によると、2012年から24時間以内に保健所への届け出が義務化されたとはいえ、無症状であれば医療機関を受診しないため届け出はされず、症状が出た場合でもすし屋や客は穏便に済ませようとするのが一般的で、視覚的に気付いた場合、1か月経過後に症状が出なければ特に問題にしなかったのかもしれません。

発病者が病院で治療を受けた場合に実数が把握されるので、感染者は1年間に推測2,000人から8,000人とバラつきが大きくなっています。感染した場合の発病率は謎のままです。

◇アニサキスの感染症状

感染した場合の症状として、幼虫が胃壁に入り込もうとして頭を突っ込むと、食後数時間で胃に激痛を感じます。あまりの痛みに耐えきれず救急車を呼ぶことになるのが一般的です。激痛がある時はアニサキスが胃壁に入ろうとしている時です。

8時間以内に症状が出なければ、排出されている可能性があります。とはいえ、1か月はヒトの体内で生存している場合もあるので、症状が出た時は要注意です。

また、胃がんがあればその匂いに線虫が集まる性質があります。アニサキスという線虫も胃がん患者の胃壁に集まってそこで生息しようとします。胃に穿孔がある場合は腹痛と嘔吐が主な症状で下痢は起きません。

初回の感染では抗体がないためアレルギー反応は起きませんが、2回目以降は抗原に対する抗体が出来ているため体質によってアレルギー反応が出る事があります。嘔吐と供にアナフィラキシーショックがあれば発疹や呼吸困難があるのでアレルギー反応と判断できます。呼吸停止に至るまでに早めに救急車を要請しましょう。

◇アニサキス感染症の治療と予防

食後3時間程度では胃に内容物が残っているので、胃カメラによる幼虫除去は難しくなっています。その場は鎮痛剤やステロイドで腹痛を抑えながら翌日に除去することになります。除去すればすぐに痛みが治まります。しかし、痛みがあまりにもひどく我慢できない場合は開腹手術が行われます。

アニサキスに感染している魚を生食をしなければ感染は起きません。感染リスクを減らすために60度以上1分間の過熱を行えば線虫は簡単に死滅します。またはマイナス20度で24時間冷凍保存していた場合は感染は起きないといわれています。

よく噛んで食べれば感染リスクは減るという俗説もありますが、ヒトの咀嚼で線虫を噛みきることはできないので予防策にはなりません。刺身をよく噛むというのも変な話です。

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