大豆イソフラボンを取りすぎると、女性の脳梗塞リスクが増加する?

daizu

米バンダ―ビルド大の研究グループの調査結果によると、日常的に大豆イソフラボンを摂取している女性は、脳梗塞の危険性が高まることが判明。67,000人を10年間にわたって追跡調査した結果、3,100人に脳梗塞が確認されたとのこと。女性に限り大豆ではなく、大豆イソフラボンの摂取量に比例して脳梗塞の発症リスクが高まるという研究発表があります。

スポンサードリンク



◇大豆イソフラボンの濃度別摂取

米国では40歳~70歳の健康な女性に5段階の濃度の大豆イソフラボンを日常的に摂取させた結果、摂取量の多い順に脳梗塞のリスクがそれぞれ、24%、11%、10%、5%上昇したという。更年期から閉経に当たる40歳~70歳という対象を選択した理由は不明ながら、大豆イソフラボンの摂取量が多いと脳梗塞になるリスクが高まる事が明らかになりました。

女性ホルモン様物質として最も一般的な大豆イソフラボンのみ摂取したとのことですが、更年期を過ぎて本来エストロゲンが分泌されないにもかかわらずエストロゲン補充療法を行った場合と変わらず、「更年期を過ぎた女性のエストロゲンの摂りすぎが脳梗塞につながる」という研究結果に過ぎないと言えそうです。

◇一方、日本の追跡調査の結果は?

日本では、独立法人国立がん研究センターの追跡調査の対象として、脳血管・心血管ともに異常のない40歳~59歳の男女40,462人(女性は閉経後)に対して11年間の追跡調査を行ったところ、脳梗塞587人、心筋梗塞308人という結果でした。男性は摂取量や摂取頻度にほとんど影響されず、どのグループも脳梗塞・心筋梗塞発症との関係に影響は見られないというものでした。

jphc_outcome058_img01_thumb

出展元:http://epi.ncc.go.jp/images/uploads/jphc_outcome058_img01_thumb.gif

女性の場合は大豆摂取頻度と脳梗塞・心筋梗塞の関係は一週間に3~4回摂取している場合はリスクが19%減少、5回以上の場合は29%減少という結果です。男性は摂取頻度に関係なく変化なしという結果なので、大豆イソフラボンが女性に与える影響があったとみなす事が出来ます。

◇米国と日本の調査結果の違い

米国と逆の結果が出たことになりますが、追跡研究として日米の異なる点は、米国は大豆イソフラボンであり日本は大豆を摂取したという点が大きく異なり、日本の大豆摂取の場合はn-3系脂肪酸やビタミンEが関係しているとはいえ、男性の発症率に変化がなかったことから、女性に対するエストロゲン様物質として大豆の成分が関係しているかもしれない、という結果に終わったようです。

サプリメントによるイソフラボンのみの摂取の場合は、米国と同様に脳梗塞や心筋梗塞の予防に関しては逆効果になる可能性が高いと言えます。女性の場合はエストロゲン様物質として、更年期障害による高血圧や糖尿病、脂質異常症などの防止にも関係していることから、主に血管の疾患と死亡率の減少に大きく関係していると想像できます。そして、週に5回以上大豆を摂取している男性の死亡率の低減につながっている調査結果と見る事もできます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサードリンク







関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

スポンサードリンク

お役に立てたらいいね!

ページ上部へ戻る