糖尿病性神経障害の症状と悪化防止・予防法など

byouin2

高血糖が続くことで起きる三大合併症(腎症、網膜症、神経障害)の一つと言われて、最も早期に起きる合併症です。これは血糖値のコントロールを続けることで治る神経症状です。他の合併症と異なって自覚症状があるので改善の余地はあるのですが、神経が麻痺することで症状に気付きにくいという事も起きてきます。

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◇糖尿病性神経障害とは?

糖尿病の患者の30%以上が合併症として経験するという神経障害です。糖尿病患者特有の糖代謝物質ソルビトールが血管から末梢神経の神経細胞に入り蓄積する事で神経障害を起こします。そして高血糖の状態が続くと最初に末梢神経がダメージを受けて感覚がなくなります。

または、細小血管が梗塞を起こして顔面神経や聴神経、四肢の麻痺を起こすという2種類に分類されます。

糖尿病を発症すると常に合併症の危険性があることを前提に血糖値のコントロールや定期的な検査を行うことが必要になってきます。しかし、症状が出るまでに時間がかかることや、血糖値のコントロールを継続する事が難しい場合もあります。

◇視覚的なチェックで悪化防止

1型糖尿病の血糖値コントロールが出来ない場合は、自覚症状が現れやすいので、合併症の発見が遅れる事も少なくなるかもしれませんが、2型糖尿病では生活習慣の悪さが影響しているため、定期的な検査を受ける事や合併症に気付くことは難しいかもしれません。

というわけで、糖尿病の三大合併症の中でも最初に起こる神経障害の症状は、最初に足首から下が麻痺して怪我をしても気付かないということが問題になっています。何かにつまづいて足の指先に怪我をしても気付かないまま化膿した後、壊疽に至る事があります。そうなると壊疽を起こした部分は切断する事になります。

または、歩行時のバランスが悪くなって、足首から先の部分の一部が使えなくなっていたことに気付くということもあります。そうなる前に目で異常がないか確認することで悪化防止を図ることは可能です。

◇自覚症状と検査

神経に障害が出た時の自覚症状としては、冷感や痺れ、神経痛、異常な発汗、立ちくらみ、尿意を感じない、便秘や下痢などがありますが、特に足の裏の痺れや冷感・痛みで眠りにくい、歩行時の違和感などの症状があります。神経が完全に破壊されると痛みは感じなくなります。

末梢神経伝導速度の検査を行うことで、末梢神経の刺激が伝わる速度を計測できます。運動神経の伝達速度が50m秒以下になると神経障害があると診断されます。他の検査としては、振動覚閾値やアキレス腱反射、呼吸心拍変動係数などによって神経障害が発見されます。

低血糖の症状が起こりにくくなり、低血糖の状態でも気付かなくなります。放っておくと、突然の意識消失が起きるため危険な状態になります。

◇神経障害の予防と治療

・血糖値のコントロールによって進行防止と症状の改善が見込まれます。
・視覚的に怪我や火傷の有無をチェックして壊疽の防止を行えます。
・靴ずれを防止するためにも、足にあった靴を選ぶこと。
・脳梗塞や心筋梗塞を防止するためにも禁煙が欠かせなくなります。
・味覚障害による生活習慣病の悪化を防止。

治療薬としては、ソルビトールの産生を抑えるためにアルドース還元酵素阻害剤を使います。

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