糖尿病特有の細小血管の障害と、血管を介した全身性疾患

byouin2

糖尿病の合併症が起きる前の段階として、動脈硬化をはじめとして脳血管障害では脳梗塞を多く発症します。眼の新生血管では出血傾向にありますが、他の部分では血糖値の上昇に伴って梗塞が起こりやすくなっています。

スポンサードリンク



◇大血管障害と細小血管障害

糖尿病の血管合併症でよく出てくるのが細小血管障害と大血管障害。大血管とは何?という人がいるかもしれません。

ヒトには大動脈と大静脈が1本ずつあり、そこから枝分かれしている血管は全て末梢血管と呼ばれます。機能的には動脈と静脈、その間の毛細血管の3種類に分類されますが、太さで分類すると、大血管、中血管、小血管・細小血管(毛細血管を含む)に分かれます。

糖尿病の合併症として最も多いものが腎臓や網膜・神経障害に関係する細小血管です。心筋梗塞や脳梗塞の原因となる動脈硬化は大血管に相当します。慢性の高血糖により大血管自体が脆くなったり、細小血管障害では、出血を起こしやすくなり、その先の細胞に与える影響が大きくなります。

◇血管に悪影響のある物質

糖尿病で問題となる物質は、インスリン不足によって糖代謝が行われず、血液中の糖の濃度が上がった末に糖が別の代謝系で処理されてソルビトールという代謝物が生成されます。これが大血管に蓄積されたり、細小血管で詰まることで糖尿病特有の障害が出てきます。

血管への蓄積による影響は、大血管の場合は糖尿病発症の初期から影響が出てきます。細小血管の場合は、数年から数十年かけてその先にある神経細胞、腎臓、網膜の細胞に蓄積することで、糖尿病合併症として障害を起こします。どちらも高血糖が持続した気管に比例して悪化します。

生活習慣病として脂質の摂りすぎが脂質異常症を起こして血管に障害を与えるように、糖尿病では糖分の摂りすぎが血管に障害を与えるため、糖尿病には数多くの合併症が存在します。ちなみに、食品の甘味料としてソルビトールが添加されていますが、それは腸から吸収されにくいので、糖尿病とは関係ありません。

◇血糖値の長期的なコントロール

過去2カ月の血糖値の平均を表すHbA1cでは、空腹時血糖値と食後2時間後の血糖値と比例するため、HbA1c単独の値が診断基準に使われています。HbA1c(JDS)が6.5%を超えた場合に糖尿病と診断されます。

大動脈障害と死亡者数の関係は、HbA1c7%以上の場合、HbA1cの値が低いほど総死亡も低くなり、逆に1%増加すると大動脈血管による障害と総死亡リスクはどちらも38%上昇、細小血管障害では6.5%を超えると障害と総死亡リスクが40%上昇します。大血管の場合は7%が理想で、細小血管は6.5%。それ以上下げてもリスクの変化はないという研究結果が発表されています。

◇合併症予防のための定期検査

糖尿病と診断された後に無神経になっていると、多くの合併症を起こして寿命が短くなります。インスリンが分泌されなくなる1型糖尿病の場合は、自己注射や食直前の服薬による血糖値のコントロールが必須になります。2型糖尿病であれば生活習慣の改善によって進行を遅らせることが可能な場合もあります。

2型の場合は新薬が続々と発売されているので、血糖値のコントロールも比較的簡単になっていることもあり、生活習慣の改善が行われない事が多いようです。

糖尿病は全身性の疾患で、合併症を起こすと余命に大きく影響してきます。できるだけ長く生きるためにも合併症を見逃さないためにも定期的な診察と検査を行うことと、長期的な血糖値のコントロールが必要になってきます。それに加えて、生活習慣病の予防のための運動や食生活の改善も欠かせないものになっています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサードリンク







関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

スポンサードリンク

お役に立てたらいいね!

ページ上部へ戻る