夢の抗がん剤「イレッサ」、副作用のない治療薬?による薬害事件 | 家庭医学の知識大百科「ヘルスカレッジ」~家族を大病から守るためのサイト~

夢の抗がん剤「イレッサ」、副作用のない治療薬?による薬害事件

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副作用がほとんどないという非小細胞肺がん治療薬、夢の抗がん剤と言われた「イレッサ」が分子標的治療薬として2002年1月に新薬として承認されたものの、実際の医療の現場では多くの患者が副作用の犠牲となっています。臨床試験と責任の所在を問う薬害事件とは?

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◇厚労省のスピード認可と薬害

肺がん患者の延命効果が期待できる分子標的薬として「イレッサ」という治療薬がありますが、EUでは2009年に承認されて、EGFR遺伝子に異常がある場合に限って使用できる抗がん剤として現在も使われています。

ただ、日本だけはわずか半年の治験を経て2002年にスピード認可されました。激痛と呼吸困難を伴う副作用の間質性肺炎による致死率の多さが明らかになった後も、肺がん患者への広範囲での使用が続き、2011年までの間は遺伝子の変異が無い場合でも使用を続けてきたため、副作用の犠牲者が増えることになります。

そして、遺族により国と製薬会社に対して国家賠償法と製造物責任法の責任を問う訴訟が提起されましたが、どちらの責任も問えないという判決が確定したというものです。

◇患者への説明責任と自己決定権

薬害による副作用被害の救済の適応を受けられなかったという事になり、非小細胞肺がん患者の命の重さと副作用のリスクのどちらが重いか?という問題も含めて、医師は副作用による間質性肺炎のリスクを知りながら抗がん剤治療による延命効果が望めない患者に対してイレッサを処方してきたわけで、インフォームドコンセントや自己決定権のあり方につながってきます。

インフォームドコンセントが適切に成されなかった結果、患者は「副作用の少ない抗がん剤」という説明を受けて、患者の自己決定権によって「副作用が少なく苦痛の無い治療」を受けることに合意したわけで、壮絶な痛みの激しい副作用に苦しみながら死亡する危険性があると医師に聞かされていれば、そのような治療は受けないはずです。

結果的に正確な情報を知らされないまま、治療の有無に関する自己決定権が無視された形になっています。インフォームドコンセントが重視されていない日本では、患者の知る権利や自己決定権さえ奪ってしまうような医療後進国並みの患者の扱いが行われて、今後も薬害が無くなることはなさそうです。

◇非小細胞がんとイレッサの限定使用

EGFR遺伝子に異常がない場合はベネフィット(有用性)がリスク(副作用)を下回っている形になり、本来は使われる薬ではなかったものが適応外の患者に使われたという意味では、医療機関のミスは問えるはずです。現在では遺伝子に異常がない場合はイレッサを使えないということになっています。

現在では非小細胞肺癌患者の遺伝子変異が陽性の場合に限定されて、延命効果が期待できる場合に限って使われています。というわけで、過去の例では医薬品の副作用被害救済制度が適応されるべきであって、例え末期のがん患者であるとしても、命の重さと終末期医療の必要性と意思の尊重は行われるべきです。

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