カドミウムの慢性中毒によるイタイイタイ病、政府初の公害認定

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1968年に健康被害の原因について、カドミウムの慢性中毒であると国が初めて認めた公害の第一号です。三井金属鉱業に対する公害病での損害賠償請求訴訟として、全国初の住民側勝訴の前例を作った事件としても有名なものですが、全面解決に至ったのは2014年であって過去の話ではありません。

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◇とにかく痛いカドミウム中毒

その痛さから英語でも “Itai-Itai disease” と呼ばれるほどで、俗にいうカドミウム米や汚染された水を長期間飲んでいる間に慢性中毒となり、進行性の腎臓尿細管機能異常症や骨軟化症により、頻尿や口喝の症状が現れます。腎臓の尿細管障害が進行すると、骨形成に必要なリン酸や重炭酸の再吸収が行われなくなり、尿中に流れ出していきます。

やがて慢性腎炎に進行すると、血液中のカルシウムの再吸収が行われず、リン酸と供に尿中に全て流れ出していきます。そして骨密度が次第に低下していき、骨粗しょう症を発症すると軽い負荷でも簡単に骨折を起こします。

◇腎臓と骨に大きなダメージ

農作業などで最も負担のかかる中腰の姿勢を続けると、腰の痛みが酷くなり、腰が曲がった状態で骨や筋肉が縮小することで痛みが酷くなっていきます。特に負担のかかる膝や骨盤にダメージが出てくるので、全身のあらゆる部分で骨折を起こすと、立ち上がる事もできないまま寝たきりになります。

そして、寝たきりのまま痛みとの闘いになると、寝返りを打つだけでも全身の骨が骨折を起こして「全身のあらゆるところが引き裂かれるような痛みがある」という表現をします。そのまま衰弱して痛みの中で死に至るというものです。

◇原因は明らかな鉱毒被害

富山県の神通川上流に三井金属鉱業の鉱山が元で、亜鉛鉱石から鉛を取り出す過程で不純物として出るカドミウムが、神通川流域の稲作や漁業にも影響を及ぼしていました。被害は大正時代からあったと言われていわれ、国や県に対して鉱山の排水対策の申し入れをしてきましたが、受け入れられないままです。

長い間苦しんだ住民は、1968年健康被害に対して損害賠償請求の訴訟を提起したところ「カドミウム以外に原因は無い」という旧厚生省の見解によって、一審の富山地裁では住民側勝訴、二審名古屋地裁で控訴棄却によって確定という全国初の公害裁判です。

◇全国初の公害裁判全面勝訴

「確定判決の翌日に賠償金等について定めた誓約書の概要」

1.当社はイタイイタイ病の原因が当社の浸出にかかるカドミウム等の重金属によるものであることを認め、今度裁判上、裁判外を問わずこのことを争う一切の言動をしないことを宣誓する。

2.当社は各原告に対し、申立書記載の請求額どおりの金員(金銭)を本月末日限り支払う。

6.当社はイタイイタイ病患者の今後のイタイイタイ病に関わる治療費、入通院費、温泉療養費、その他の療養関係費の全額を請求に応じて支払う。

その他、公害防止協定書、土壌汚染問題に関する誓約書を取り交わしたとのこと。

1955年に初の病名付き患者が出てから、58年後の2013年に全面合意に至るというものですが、国の判断基準を満たさない患者に対して一律60万円の一時金を支払うことで2014年に全面解決。

◇尿細管障害にご注意を

カドミウムの汚染地域は国内だけで富山県以外にも5県、5カ所(群馬県、石川県、兵庫県、秋田県、長崎県)に存在することから、腎臓の尿細管に異常があると言われた人はカドミウム中毒を疑ってみましょう。尿中の濃度が10マイクログラム以上で陽性です。

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