慢性骨髄性白血病(CML)、骨髄移植が不要になった病気

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血液のがんとして有名な白血病は急性に進行する病気ですが、進行が遅い慢性骨髄性白血病であっても突然急性の白血病に変わることがあります。1960年に染色体異常が発見されて以来、40年ぶりに治療薬が開発されて有効性を示しています。

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◇慢性期の早期発見が生死を分ける

白血病といえば急性がほとんどで、骨髄移植をしない限り助からない病気でした。造血細胞に異常が起きると、慢性期に必要以上に免疫細胞を含む白血球が作られますが、急性期には造血幹細胞の分化・増殖に障害が起こり、白血球の元の血球の状態で成長が止まることで全身に障害が出てきます。

慢性期に白血球が増えすぎても、自覚症状としては腹部膨満感程度の軽いもので収まりますが、急性期になると血球細胞の減少が起こり、白血球だけでなく赤血球も作られなくなった結果、全身症状が出てきます。

慢性であっても移行期を経て急性に変わっていきます。急性というのは従来の白血病で、はっきりした自覚症状も出てきます。脾臓で赤血球が作られるようになるので、脾臓の肥大や腹痛、倦怠感なども出てきます。そして、急性に移行する前に早期発見が必要になり、定期検診や健康診断で慢性期に発見できるようになってきました。

◇骨髄バンクとHLAタイプ

急性になると骨髄移植や臍帯血移植が必要になってきます。しかし、骨髄バンクに登録しても骨髄のタイプ(HLA)のタイプが合うドナーが見つかる確率は低いものです。HLAのタイプは数万~数百万種類に上るため、数の少ないタイプによっては適合者が見つかるとは限りません。臍帯血を保存していれば自家移植になります。

そもそも、骨髄バンクに登録するドナーは1日半にわたる検査を指定された病院で行います。病院までの距離が離れていても交通費は自己負担。検査後にHLAのタイプが本人にも知らされません。晴れてドナー登録が行われた際には、渡航する時はわざわざ連絡しないといけない。場合によって渡航を禁止される。ヨーロッパなどの渡航先によってはドナー登録から抹消される。などの行動制限も付けられます。

そして、クスリを服用をするときは連絡しないといけない。健康状態が悪化しても連絡しなければいけない。という生活が、長い場合は10年間以上に渡って続きます。

骨髄提供の時は骨髄バンク指定の病院まで呼び出されて再度の確認検査があります。移植後は4日以上の入院になる上に、交通費は全て自己負担、後遺症が残っても全て治療されるわけではない。患者とのコンタクトは移植後1年間に限りコーディネーターを介して「文書で」2回までという制限もついています。

これでは骨髄バンクの登録者は増えるはずもありません。

◇骨髄移植より新薬に期待!

少ない中から骨髄のタイプが一致することは稀で、提供者を待ちながら命を落としてしまうということが長い間続いていました。そこで慢性期に有効な軽めのイマチニブ(商品名グリベック)によって遺伝子異常による不要なタンパク合成を阻止しながら、アポトーシス(細胞の自滅)抑制遺伝子を活性化させて細胞の死滅を防いでいます。2001年に発売された第一世代の薬で90%が完治しています。

移行期になると3年生存率が90%程度になり、急性期では1年生存率も極端に低下しますが、イマチニブの20倍の効果が期待できる薬も使われます。急性期に完治した例もあるので免疫力次第ということでしょう。慢性・急性白血病の新薬は続々と治験が終わって使用できるようになると思います。ともかく、慢性期では90%以上、急性期では20%以上の患者の骨髄移植の必要が無くなったという事は、現在のところ遺伝子治療の最も大きな成果と言えます。

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