コリン性蕁麻疹、温熱蕁麻疹という難治性のじんましん

isya3

コリン性蕁麻疹とは、刺激やヒスタミン・金属など原因となるものが無く、運動後や入浴後などに発汗が抑えられるとアセチルコリンが皮下で放出されると、知覚神経が刺激されて皮膚の表面にピリピリとした痛みを感じるものです。難治性の蕁麻疹のため、効果のある薬や治療法がほとんどないのが現状で、漢方薬でゆっくり治すしかないようです。

スポンサードリンク



◇コリン性蕁麻疹の原因と症状

アセチルコリンとは、交感神経が刺激された時に出る神経伝達物質(ホルモン)で、副交感神経を刺激して自律神経のバランスをとる作用がありますが、温熱などの刺激が原因で交感神経が刺激されると、汗腺にある神経からアセチルコリンが放出されると発汗が促されます。この時に汗腺が収縮すると汗が体表に出にくい状態になり、皮下で広がると炎症を起こすと丘疹が出来て蕁麻疹のような症状が見られます。

寒い時期に運動をした後に出る事が多く、円形の赤い丘疹が多く見られて、ピリピリとした痛みが特徴ですが、痒みを伴うこともあります。交感神経の刺激によるアセチルコリンの分泌が考えられ、発汗が抑えられた結果、皮下でアセチルコリンが影響して痒みや皮疹を起こしているという見方が有力です。

◇コリン性蕁麻疹の特徴

・基本的に抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の効果がない。
・かゆみやピリピリとした神経の痛みが周期的に起こる。
・夏に起きることはなく、寒い時期の風呂上がりや運動後に多い。
・汗が吹き出す事がなく、皮膚から染み出した後に発疹がある。
・寒い時期のこたつや暖房器具によって悪化する。
・夏に改善されて冬に運動をしたときに悪化。これを何年も繰り返す。
・一般的に汗をかく場所に皮膚症状と痛みが出る。
・症状は一時的なもので、数分から1時間程度で収まる。
・足の裏と手のひらには蕁麻疹が出ない。

◇コリン性蕁麻疹の治療

慢性蕁麻疹の場合、原因が特定できていないケースが73%程度あると言われています。コリン性蕁麻疹であっても原因物質が不明の蕁麻疹を併発している可能性があるので、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤、ステロイドに効果がある場合もあります。

コリン性蕁麻疹自体はそれらの薬で治ることはなく、治癒までに平均7年半ほどかかります。ほとんどの場合10~30代で発病して、治癒までに3~16年かかることから、大半が慢性になります。症状が持続する時間は数分~1時間程度で季節性の波があるので、特に冬の発病に要注意です。

悪化すると頭痛や嘔吐、腹痛や血圧低下などを起こす事があり、運動によりアナフィラキシーショックを起こす事も稀にあるので、アドレナリンの自己注射が行えるように準備しておく必要があります。

原因はある程度判明しているものの、薬や治療法は確立したものがありません。日常生活に支障がなければ自然治癒を待つというのが一般的ですが、抗コリン剤を使うという手段も無駄ではないようです。

漢方薬でコリン性蕁麻疹を治すことは可能と言われていますが、人によって効き方が異なるため、特に決まった商品名はありません。いろいろと試してみる以外に手段がないのが現状です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサードリンク







関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

スポンサードリンク

お役に立てたらいいね!

ページ上部へ戻る