術後せん妄の増加、早めの処置で未然に防ぐことが必要

kazoku

高齢者の手術後に、せん妄や見当識異常などの症状が現れることがあります。精神症状なので術後精神病とも呼ばれます。手術の大小・年齢・急な環境の変化などによって起こりやすく、せん妄の症状に家族が驚くこともあります。家族の協力で未然に防ぐ必要がでてきます。

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◇術後精神病の原因と症状

「術後せん妄」と呼ばれたり、「ICU症候群」などと言われることもある症状で、手術の前後に不安やストレスがあったり、緊急入院の後の手術のような急な環境の変化・手術時の多くの要因が重なって起こります。治療を行わないと25~40%の患者が死亡すると言われています。

特に起きやすい条件として、高齢者であること、リスクの多い手術、緊急入院による手術などの環境の急な変化、術後の合併症の不安などがありますが、悪影響を与える要因としては手術中の麻酔であったり手術後の鎮痛剤、整形外科では処方薬のオピオイド系薬剤(トラムセットなど)によってせん妄や錯乱・見当識障害などを起こしやすくなります。

せん妄は突然起きるのが特徴で、手術前には想像できなかったような行動を起こす事があります。集中力の低下から短期記憶が難しくなり、手術自体を忘れてベッドで寝ている自分自身の状況が把握できない場合があります。カテーテルのチューブを引き抜くなど異常行動を起こしやすくなるので、重症の場合は後遺症を残すことがあるので緊急の処置が必要になります。

この異常行動の際に周りの者や本人に危害が及ぶことがあります。身内の者や、医師。看護師では対処できるとは限らないので、それなりの専門家や精神科医による向精神薬の投与などが行われます。抗精神薬や抗不安薬によって落ち着きを取り戻して、本人が事態の把握をできれば早期に治癒します。せん妄などの治療が遅れると、入院期間も長くなり回復の見込みも少なくなります。

◇病院任せでは治らない症状

術後精神病は患者に状況を把握させることが必要になります。高齢者は精神的に不安定になりやすく、若い患者でも術後精神病になる事があります。環境に適応させるために手術までの時間に余裕を持たせるなど、検査入院の後に時間を空けて手術をするという手段もあります。

高齢者は特に入院環境に慣れることが先決で、患者が置かれている状況を把握させたり、手術の内容や手術後の説明を患者の家族が行うと状況の把握が簡単になるので安心できるかもしれません。

術後にせん妄が起きた時は軽度でも医師による治療は必要ですが、見当識の異常が起きた時は家族が状況を説明すると、アイデンティティーの確認が行いやすく不安感も大きくなりません。「わたしはだれ?ここはどこ?」という、高齢者が不安に陥りやすい状態をある程度防止できます。

軽い症状では医師や看護師が見逃すことがあるので、家族や付き添いの近親者が気付いてあげることで、術後に起きた症状の治療も早くなります。

◇世界で普及を始めたHELP

HELP(Hospital Elder Life Program)によって経験を積んだボランティアの活動が、世界的にせん妄防止に貢献しています。せん妄発症率を導入前の半数以下に低下させることが明らかになっています。日本でも普及しつつあるので、入院先の病院がHELPを導入しているかどうか事前に確認しておくのがいいかも知れません。

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