ギラン・バレー症候群(急性炎症性脱髄性多発神経炎)の症状と治療

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感染症の後遺症や医薬品の副作用として稀に起こるもので、骨髄の炎症を発端として神経症状が全身に進行していくのが特徴。通常は足の方から脱力感があり、頭に向かって神経症状が進行していきます。運動神経から呼吸筋の麻痺まで進行して、呼吸困難を起こして死亡することもあるので、早期治療と入院治療が必要になります。

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◇ギラン・バレー症候群の原因と症状

カンピロバクターやヒトヘルペスウィルスなど一般的な感染症の後や、薬の服用後、またはワクチン接種の後に発症することが多くなっており、アレルギー反応(自己免疫反応)による神経症状です。自己免疫反応として神経に障害を受けるので、神経麻痺に伴って筋力の低下は必至であり、発症後数時間で筋力低下が起こります。

神経の損傷は8週間程度で収まりますが、30%以上に筋力低下の後遺症が残ります。治療を受ければ軽症で済むので、症状に気付いたら入院治療を受ける必要があります。

ギランバレー症候群は急激に神経症状の悪化があるのが特徴です。足から神経麻痺が進行していくのが通常で、筋力の低下によって急速に全身症状が現れて、呼吸筋の麻痺が起きると自発呼吸が行われなくなるので人工呼吸器が必要になります。そのため、筋力低下が起きると入院して検査と治療を続ける必要があります。

◇ギラン・バレー症候群の検査と治療

ギランバレー症候群が疑われる場合は筋電図の断続的な検査が必要になります。アレルギー反応とはいえ、ギランバレー症候群と判明するまでは容易ではなく、ポリオやボツリヌス中毒、重症筋無力症など様々な疾患が疑われます。

重症の筋力低下の原因となる疾患を特定するために、脊椎穿刺による細胞診や脳脊髄の検査、筋電図検査・神経伝達検査などが行われます。

急性の場合、薬剤の使用を中止すればアレルギー反応(または、自己免疫反応)により症状が持続した後に、長くとも神経の損傷は8週間前後で治っていきます。場合によっては血漿交換療法によって血液中の抗体や薬物をフィルターにかけて体内に戻す事を行ったり、不足分はアルブミンで補ったり、追加で免疫グロブリンの静注が行われることもあります。

◇慢性炎症性脱髄性多発神経炎とは?

ギラン・バレー症候群が慢性化したもので、神経の障害を受ける部分や悪化する速さは人によって異なります。炎症が悪化すればステロイドが使われますが、通常は血漿交換療法とアルブミンや免疫グロブリンの点滴・免疫吸着療法による治療が続けられます。機能障害はゆっくり進行して致死的な状態になることはほとんどありません。しかし治療が長引いて自費の部分もあるので、負担が大きいかも知れません。

この病気は特定疾患指定なので、難病申請した後に認可されると公費負担になりますが、原因となる疾患(感染症状や薬の副作用など)は公費負担の対象になりません。また、難病申請は検査の後にギラン・バレー症候群と確定した後に、申請と認可が行われます。

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