
「中性脂肪は悪者なのか?」
中性脂肪とは血液中に含まれるものとしては主にトリグリセリドであり、血液検査の項目ではTGと表示されています。酸性の脂肪酸とアルカリ性のグリセリンとのエステルなので、加水分解されない限り中性を示すことから中性脂肪と言われていますが、常温では個体であるため加水分解は起こらず中性の脂質として体内に存在しています。中性脂肪自体は悪影響を及ぼすわけではないので、悪玉とは言いにくいです。
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中性脂肪としてのトリグリセリド(TG)の40代・50代の基準値としては70~150mg/dlであり、この血中濃度が上がると高脂血症やC型肝炎に間接的なかかわりを持ち、結果的に肝硬変を引き起こすことになります。
「なんとなく面倒な存在の中性脂肪は不要?」
この中性脂肪(TG)は、n-6系脂肪酸のエステルなので、n-3系脂肪酸によって減少させることができる。というのも分かりにくい表現なので、n-3系脂肪酸の、α-リノレン酸・DHA・EPAなどが、n-6系脂肪酸とのエステルである中性脂肪を分解して減少させるということです。中性脂肪もDHAも必須脂肪酸のエステルなので、どちらも必要ですが、どちらも摂り過ぎた場合は問題になります。脂肪酸が個体の場合は脂質になり体内で脂肪として蓄積します。DHAも脂肪酸なので摂り過ぎれば弊害が出てきます。
テレビCMではオメガ3とかオメガ6と言われていますが、聞いたことはありませんか?血液サラサラ成分のDHAなどと言ってますが、DHAも油です。ねとーっとしてます。DHAが不足している場合、中性脂肪は圧倒的に減るということになりますが、不足していない場合は摂りすぎに注意する必要があります。厚労省の推奨摂取量が1日1グラムでしたが、現在は2グラムに変更されています。
n-3系の中でもDHAだけは脳血管関門を通ることができるので脳や網膜などに欠かせない脂肪酸となっています。ですが、DHAも摂り過ぎるとLDLコレステロールを増やすことになります。結局どうすればいいのか?ということになって混乱するかもしれませんが、n-6系脂肪酸を摂り過ぎることが問題になっています。普通の食用油を控えめにするか、できる限り使わないようにすることが必要なのです。
「トリグリセリドに話は戻って」
このトリグリセリドという害のない中性脂肪(脂肪酸なので脂質ですが、脂肪と書いておきます)もアシル基と置換されてトリアシルグリセロールという面倒なものに変化します。不飽和度によって凝固点の異なる不飽和脂肪酸になるのですが、その問題児が血管内に増えてくると脂肪肝や動脈硬化、膵臓炎の原因になります。
これをわかりやすく表現すると、一般に売られている植物油は液体ですが、中性脂肪から問題児に変わって凝固点が高くなると体内で固まりやすくなるため、脂肪酸の血中濃度が上がることで肝臓に溜まると脂肪肝になり、動脈壁に溜まると動脈硬化になります。この基準値としては中性脂肪と同じで、40代・50代の場合は70~150mg/dlとなっています。少なくても多くても良くない面倒なものに変わるのです。

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