硫化水素中毒の濃度と酸欠症状 ~ヒトも排出する毒ぶつ~

byouin2

硫化水素H2Sは、噴火している火山付近や温泉などでよくある硫黄臭さの原因物質です。火山性ガスの二酸化硫黄が水蒸気と反応して硫化水素を発生します。化学工場が近くにあると日常的に呼気中に含まれていることがあります。特に濃度が場所によって違う温泉や火山付近は思わぬ危険が潜んでいます。

◇日常的に臭っている硫化水素

タマゴが腐ったような匂いと言われてイヤな匂いですが、実際に腐ったタマゴから硫化水素が発しています。ヒトの腸内では嫌気性細菌のウェルシュ菌によって硫化水素が生成されて、腸壁を長い間刺激すると大腸がんの原因にもなります。ガスとして外部に出ると人体が硫化水素を撒いていることになります。タマゴの腐ったような「におい」がすれば健康状態が良くない場合があります。

化学工場の卵の腐ったような臭いや、硫黄を多く含む温泉も硫化水素の臭いなので、わりと身近なところに多い化合物です。下水やごみ処理場にある硫黄が嫌気性細菌によって分解されると硫化水素を発生させて、汚臭の原因になっています。

温泉地では場所によって、高濃度の硫化水素が出ている場所もあるので要注意です。乳頭温泉では死者が出ています。比重は空気より重いので、逃げる時は高台か風上に向かって避難するのが無難です。マンションであれば上の階や屋上に避難すれば大丈夫です。

◇硫化水素の毒性と規制について

最も多い発生源としては、火山から噴出する硫黄を主成分をする火山性ガスの低温部分で、水蒸気とともに硫化水素が発生します。二酸化硫黄と硫化水素が同時に噴火することもありますが、燃焼すると二酸化硫黄になり、酸性雨の原因にもなります。刺激性ガスにも関わらず酸化防止剤として食品添加物に使われることもあります。

実際に長期的に硫化水素を吸い込んだ場合にどうなるかというと、酸欠によって窒息します。初期症状から最後まで酸欠による息苦しさが持続します。

硫化水素の濃度が10ppmを超えると細胞が酸素を取り込めなくなるので、酸素欠乏症を起こします。そのため、「酸素欠乏症等防止規則」によって排出規制が行われています。

「悪臭防止法」による規制では、0.02ppm~0.2ppm程度の臭いと感じない範囲が大気濃度の規制基準値になっています。0.3ppmでは人間の嗅覚で検知可能ですが、10ppm以上で酸欠防止法の規制の基準値を超えて呼吸に影響が出ます。

20ppm以上になると嗅覚の麻痺が起きるので、それ以上は濃度変化に気付かなくなります。眼の角膜や結膜の組織が破壊を始めて眩しさを痛みを感じるようになります。

100ppmを超えると完全に嗅覚が麻痺します。同時に喉や気管支の粘膜に刺激を受けて症状が出てきます。鼻粘膜や気道に乾燥感などの症状が出始めて、粘膜に痛みを感じるようになり、肺胞の破壊が起きて呼吸困難になります。200ppmでのどの痛みがあり、24時間持続すると肺水腫が起きて、せきや痰の増加のあとに窒息します。600ppmを超えると30分程度で肺水腫のあとに窒息、約1時間の経過後になくなります。

最初に酸欠を起こした時点から徐々に悪化していき、息苦しい状態が延々と続きます。市販の材料を使って硫化水素を発生させる人もいるようですが、高純度の硫化水素を作ることはできません。

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