慢性B型肝炎・B型肝硬変の新薬テノゼット ~天津大爆発で生産停止に~

byouin2

C型肝炎の新薬が保険適応になったため、A型~C型まで治癒するウィルス性肝炎になったところですが、天津大爆発により慢性B型肝炎の新薬製造工場が被害を受けたとのこと。この薬は継続して服用する必要があり、在庫も品薄ということで対策に迫られています。

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◇ウィルス性肝炎は治る時代に

A型肝炎は慢性化することはほとんどなく、安静にしていれば4~8週間で治癒します。C型肝炎は新薬が続々と登場して、2種類の薬を組み合わせた合剤によって治癒率100%が望めるようになってきました。

しかし、ウィルスの耐性獲得を起こさないために、抗ウィルス薬は継続して服用を続ける必要があります。C型肝炎であれば、1日も欠かさず8週間~12週間以上(ウィルスが検知されなくなるまで)継続する必要がありますが、途中でやめるとその薬は効かなくなる可能性が高くなります。

慢性B型肝炎の新しい治療薬としては、ヒトB型肝炎ウィルス(HBV)やヒト免疫不全ウィルス(HIV)の複製を防ぐ核酸アナログ製剤が主流になり、HBVが変異を起こす前に継続して服用を続けることで、複製を防ぐことで慢性B型肝炎の進行を止めることができる時代になってきました。

◇危機が迫る慢性B型肝炎患者

中国天津で起きた爆発事故により、工場での「テノゼット」の製造・出荷が停止しています。工場は爆心地から2キロ圏内にあり、立ち入り禁止区域のため再開のメドも立っていない状態です。国内では在庫切れが予想され、国内での製造や処方量の減量、飲み始めていない患者への処方を控えるなど対応に追われています。

日本では2015年5月に新薬発売後の1年間の販売制限が解かれて本格的に販売を始めたところで、現在ではB型肝炎患者150万人のうち7,000人の患者が服用を開始しています(腎機能が低下している場合は例外、または減量)。

国内では日本たばこ産業と鳥居薬品がHIV患者向けにライセンス生産を行っています。これはB型肝炎治療薬と同じ容量の化合物(テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300mg )なので、流用できるのではないかと勝手な想像をしています。

B型肝炎の患者にとっては薬が途切れて再発した場合、その薬は効かなくなる可能性が高いので再び他の新薬でウィルスを減らしていく事になります。また服用開始が遅れると、慢性B型肝炎からB型肝硬変・肝細胞癌へと進行する可能性があります。テノゼットの適応症はB型肝硬変までであり、肝細胞が癌化すればウィルスが増殖する余地もなくなります。

◇いつまでも続く医療ミスの犠牲

注射針の使い回しが招いた慢性B型肝炎とB型肝硬変の訴訟は、個人レベルで当分先まで続きそうです。弁護士料を国が負担するということで1人ずつ被害者救済が行われていますが、推定40~45万人とも言われる被害者全てが救済されるまでに、新薬の恩恵に与ることができるのでしょうか。

本格的に発売が始まってわずか4か月で供給不足を招いていますが、国内での生産までにどのくらいの期間がかかるのか、JTが原料を流用させるのか不明なままです。

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