糖原病(炭水化物代謝異常) ~治療法のない疾患と劣性遺伝~

isyakiiro

グリコーゲンの代謝酵素が欠如が原因で、ブドウ糖に分解されずに蓄積していくことで肝臓・腎臓・筋肉などに障害が出てきます。遺伝性の疾患でグリコーゲンが蓄積する組織によってⅠ型~Ⅶ型に分類されています。

スポンサードリンク



◇糖原病の種類と障害を受ける臓器

ブドウ糖をグリコーゲンに合成、またはグリコーゲンをブドウ糖に分解する酵素が先天的に欠如しているのが原因で、エネルギーとして使われることが出来ないまま臓器に溜まっていきます。

影響を受ける臓器には肝臓、筋肉、心臓、腎臓、骨格筋などに影響があり、その組み合わせ(肝臓と筋肉など)によって7種類の型に分類されています。大きな分類では肝臓型、筋肉型、全身型、心筋型に分けられます。

◇肝型糖原病(Ⅰ、Ⅲ・Ⅳ・Ⅵ型)

肝臓の腫大や低血糖、低身長、発育不全、乳酸アシドーシスなどがあり、低血糖から筋力の低下、発汗、錯乱やけいれん、意識障害が出ることがあります。重症になると昏睡状態になる事もあります。特に感染症を起こしやすいのが特徴です。

肝臓にグリコーゲンが蓄積すると肝臓が肥大を起こして、子供の場合は腹部が膨張します。成人の場合は悪化すると肝硬変や筋肉の乳酸が分解されずに高乳酸血症になることもあり、筋肉の老廃物の尿酸が高濃度になり、高尿酸血症になり痛風を起こします。尿酸による尿路結石が起きる可能性もあります。

特にⅠ型では腎不全や骨粗しょう症を起こす事があり、心筋型のⅢ型では心臓肥大が起きますが、心不全も考えられます。この場合、心移植も検討されます。

◇筋肉型糖原病(Ⅴ、Ⅶ型)

筋肉型の場合は、グリコーゲンがエネルギーとして使われないまま筋肉に蓄積していきます。そして筋力の低下だけでなく、筋肉が壊死すると高ミオグロビン血症が起きて腎臓に障害が出ます。

出来るだけ運動を控えて筋肉にグリコーゲンの蓄積を抑え、疲労物質の乳酸が作られないようにします。乳酸をブドウ糖とガラクトースに分解する事もできないので、無用な運動は避けて大人しく生きるということでしょうか。

◇糖原病の治療と治療薬

Ⅱ型以外は治療薬がなく、治療法としては食事療法に頼るしかないのが現状です。食事回数を増やして血糖値の維持を行います。夜間もチューブや点滴で投与により低血糖を防ぐことが行われます。乳糖、果糖、ガラクトースの制限も行われます。

グリコーゲンをグルコースに分解する酵素が欠損して、全ての臓器に影響を与える糖原病Ⅱ型では、グリコーゲンが細胞内に蓄積して心不全や呼吸不全を起こすため、日本では「外国臨床試験成績に基づいて製造申請承認」という異例の承認を行い、国内での臨床試験を行わずにマイオザイムの発売開始しましたが、副作用のアナフィラキシーは避けられない様子です。

しかし、2015年9月現在でも副作用のリスクを残したまま、2週間に1度の割合でマイオザイムの点滴を行い、血液検査やエコーにより内臓の肥大をチェックするというのが糖原病治療の現状です。

◇遺伝的素因のある両親の問題

この疾患は劣性遺伝によって子供に遺伝します。両親が遺伝子に問題がある保因者の場合、25%の確率で子供は発症して、25%の確率で正常な子供が生まれます。50%は素因だけを持って生まれるので、発病する可能性を持っています。

25%の確率で第一子が発症しても、第二子が発症する確率は25%です。第三子、第四子も同じ確率です。遺伝子治療が確立されていない今でも子供が欲しいと考えるのでしょうか?当然ながら、このような疑問を露骨に投げかける病院は存在しませんが、さりげなく劣性遺伝について説明があります。

「それでもあなたは産みますか?」と無言の問いかけをしている印象を受けます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサードリンク







関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

スポンサードリンク

お役に立てたらいいね!

ページ上部へ戻る