骨髄異形成症候群(MDS) ~最後に残された期限付きの日常生活~

byouin2

血液のがんともいえる骨髄異型性症候群とは、骨髄中の造血幹細胞の遺伝子変異によって正常な血球が作られなくなると、アポトーシス(細胞の自滅)が起こり、遺伝子に欠陥がある細胞は死滅して分解されます。その数が増えてくると次第に症状が出てきます。また、減少する血球によって症状は異なってきます。

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◇骨髄異型性症候群の原因と症状など

骨髄の造血幹細胞が血液中の血球を作り出しています。大きく分類すると赤血球、白血球、血小板ですが、白血球の中には、リンパ球、単球、好中球、好塩基球、好酸球が存在します。これらの7種類の血球を骨髄の造血幹細胞や前駆細胞が成熟するとそれぞれの血球として役割を果たします。造血細胞の遺伝子に異常があると、いずれかの血球が減少してきます。

骨髄異形成症候群の初期症状として、自覚が無い場合もありますが、疲れやすさや息切れ、内出血を起こしやすくなったり、感染しやすくなる、などの症状の一つでもあれば内科を受診することが必要です。

減少した血球が赤血球であれば、貧血や息苦しさなどの症状が出てきます。血小板の減少では皮下出血やあざ、歯肉の出血、鼻出血が増えてきます。白血球の減少では免疫力の低下により感染症を起こしやすくなります。二次性骨髄異型性症候群では、放射線被ばくや化学療法が原因になります。

◇骨髄異形成症候群の診断と治療

骨髄異形成症候群に特有の症状がないので、あざ、内出血が起こりやすいなどの出血傾向や、疲れやすい、立ちくらみ、倦怠感などの貧血症状や、原因不明の発熱など、それぞれの血球が不足する事で特有の症状が出てきます。そのため、初期の内は暫定的な病名が付けられます。

血液検査により血球の数や白血球中の好中球やリンパ球の形や細胞を顕微鏡下で検査、骨髄液検査では、血球の前段階の芽球の割合や異常細胞の有無を調べた上で、染色体検査や遺伝子検査によって重症度別に5つに分類されます。

1)不応性貧血
骨髄の未熟な芽球が5%未満で、白血球減少、血小板減少を伴うことがある貧血のこと。最も予後がいい症状です。5年生存率は10~20%で、急性白血病に移行する場合もあります。

2)鉄芽球性貧血
骨髄の中に未熟な赤芽球が見られる状態で、赤血球が減少するため不応性貧血と似たような症状です。抗がん剤と対症療法などが行われますが、30%前後が急性白血病を発病します。2年生存率は20%程度です。

3)骨髄芽球が増加した不応性貧血
骨髄の中の未成熟な芽球が5~20%の場合で、骨髄と血液に典型的な異常が見られます。化学療法により半数程度が寛解状態になりますが、その状態が持続することはないため、骨髄移植以外に手段はありません。

4)骨髄芽球が増加中の不応性貧血
明らかな原因の無い場合と、放射線治療や抗がん剤を使った事がある者に分けられて、放射線による二次性骨髄異形成は化学療法に効果が期待できないので、対症療法、または臨床試験の対象になります。

対症療法として輸血が主に行われます。病気の進行を把握しておくことで、期限付きですが感染症と出血に気を付けながら、通常の日常生活を送ることが出来ます。

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