
小児の場合は肺炎球菌ワクチンが定期接種に変わったため、ほとんど発症することはありませんが、高齢者がワクチン接種を受けていない場合、免疫力の低下とともに感染を起こしやすく、インフルエンザに罹っている時に肺炎球菌に感染して肺炎を起こすことが増えています。 スポンサードリンク
◇高齢者の肺炎リスクと予防接種
一般的に成人では、65歳以上が肺炎球菌ワクチンの定期接種対象になっています。5歳を過ぎると免疫力が高まるので、高齢になるまでほとんど発症することがありません。65歳を超えると免疫機能が低下していくため、65歳から5年おきに定期接種が受けられます。
また、多糖体ワクチンを定期接種で受けていても、任意接種で結合型ワクチンを受けることができます。この両方のワクチン接種を受けることで高い予防効果が得られます。
過去に肺炎球菌ワクチンの接種を受けていない場合や、心臓、腎臓、呼吸器の機能障害、免疫抑制剤の使用中、または、HIVに感染している場合などのハイリスクの持病を持っている人は、60~65歳であればワクチン接種を受けることができます。任意接種であれば健康保健対象外になりますが、4,400円程度の実費で済みます。(脾臓摘出者に限り健康保険適応になります)
◇肺炎球菌ワクチンの有効性
60歳未満では任意でワクチン接種を受ける事ができますが、病院では積極的に接種は行いません。肺炎のリスクが高い場合にワクチン接種を受けることができます。しかし、肺炎による死亡者の95%は65歳以上なので、一般的に65歳未満の健康な人であれば、ほとんどリスクが無いといっても発症した後に治療を受ければ治癒します。
インフルエンザに罹ったり、体力の低下、免疫力の低下などで肺炎球菌に感染しやすくなります。肺炎球菌には多くの種類があり、ワクチン接種を受けても肺炎球菌に感染しないとは限りませんが、発症しても症状は軽く、重症化することはありません。
可能であれば、インフルエンザの予防接種と同時に接種することが望ましいとされています。肺炎球菌ワクチンの接種後、抗体ができるまでに3週間かかります。同時接種ではない場合、6日以上の間隔を空ける必要があります。抗体が出来ると5年間は効果が持続します。(実際は抗体が出来るのではなく、抗原と抗体の情報が5年間ほど残ります。肺炎球菌が体内に入ってくると、それに適した抗体がすぐに作られるので発病しにくくなります。)
副反応として、熱っぽさや倦怠感などがある場合、肺炎球菌に感染している可能性もあります。病院で相談することをお薦めします。注射した部分が腫れたり痛みが出ることはあります。痛みが長く続く時も受診しましょう。
◇高齢者の肺炎の危険性と予防
風邪やインフルエンザも肺炎の原因になることがありますが、誤嚥性肺炎も考えられます。肺炎球菌に感染して症状が出た場合、副鼻腔炎や中耳炎を起こしやすくなります。悪化すれば稀に敗血症や髄膜炎、肺炎を起こすので、子供からの感染に特に注意する必要があります。
子供が感染している時は、常にマスクを着用して、ポビドンヨードでうがいや薬用せっけんで手洗いは欠かせません。マスクは使い捨てタイプのN80マスクを使うと呼吸が楽で、乾燥した空気も直接入ってきません。密閉性もあるので80%以上の確率で感染予防が可能です。

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