
通常、内臓にがんが出来ても、初期や中期ではほとんど自覚がありません。末期になって病院で検査を受けたら手遅れだったというケースが多いものです。遺伝子検査である程度の危険性を予測できますが、癌が進行した後では遺伝子検査は無意味です。そこで腫瘍マーカーで未然に防ぐ、または早期発見して進行度を把握する必要が出てきます。 スポンサードリンク
◇がんによっては早期発見も可能
ゆっくり進行してほとんど自覚症状のない臓器として代表的なものが肝臓です。定期的な血液検査によって急性肝炎であったり、慢性肝炎、脂肪肝、肝硬変、肝がんへと移行していくこともあり、いきなり脂肪肝や肝がんを起こす事もあります。
何十年もかけてゆっくり進行していく場合は、肝硬変になれば腫瘍マーカーや画像検査で常に発がんの危険があると考えておくべきです。肝がんで用いられる腫瘍マーカーとしてはAFPが使用されます。AFP値が200μg以上になると肝臓がんの可能性が高くなり、400μg以上であればほぼ肝臓がんと考えられます。肝臓がんの場合、PIVKA-Ⅱが併用されて肝臓がんの確定診断が行われます。
AFPとPIVKA-Ⅱを組み合わせると、慢性肝炎の時点でも肝臓がんのリスクが高いと判断できます。腫瘍が小さくても判定できるので早期発見が可能になっています。
◇乳がんの腫瘍マーカーで経過観察
乳がんや子宮がんの場合、健康な間に遺伝子検査と第一近親者の家族歴によって判明しますが、将来的に発がんする可能性が80%以上の確率であるという事が判明するに過ぎず、進行の程度はわかりません。(CA-15-3)という腫瘍マーカーを使えば、乳がんや卵巣がん、子宮内膜症、その他のがん以外の疾患でも、発がんリスクや進行の程度を把握することができます。
進行がんでは曖昧な陽性を示して、再発では40%程度の陽性、内臓に転移している場合は75%が陽性になるので、数値が異常であれば(CEA)を併用します。妊娠初期には数値が下がるので、陰性を示す事があります。
(CA-19-9)は膵臓がんや胆道がん、乳がん、卵巣がんでも陽性を示します。(CA125)や(CA50)の値が高いと卵巣がんや子宮がん、子宮筋腫など婦人科系のがんの早期発見が可能になり、治癒率も高くなります。
マーカーで異常値が出た場合、卵巣がんや子宮がんではエコーやCTスキャンによる画像診断で確定診断が下されます。特に卵巣がんは発見しやすく、(CA602)、(CA125)の組み合わせによって卵巣がんの発見精度が高くなっています。
◇全てのがんに組み合わせて使用
全てのがんで発見されるのが(TPA)という腫瘍マーカーですが、通常、他のマーカーと併用して診断を行います。消化器のがんや肺がん、卵巣がん、前立腺がん、膀胱がん、その他臓器の炎症でも陽性を示します。
前立腺がんではPSAが使われていますが、それまではなんとPAP(前立腺酸性フォスファターゼ)が使われていたようです。PAPなら「ちょっとかけて」という感じで検査が出来そうです。ちょっと怪しいかな?というレベルであれば、指サックをつけて自ら触診することも可能です。
(NSE)は小細胞肺がんなど原発性であっても、二次性のがんでも早期に判明するので便利です。通常は治療経過を確認するための補助的診断に用いられます。
(SLE)は肺がんや消化器がん。(P-53抗体)は現在では腫瘍マーカーとしても使われているようです。がん細胞があれば10倍の感度で陽性を示すので、初期に発見することが可能になっています。
線虫を使って陽性が出れば、あとはP-53抗体でがん細胞の有無が確定します。どこにがん細胞があるのか特定する場合に各種の腫瘍マーカーの使用が有効になってきます。

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