
ペットボトルを開栓して、直接口を付けて飲んだあとにキャップをすればある程度清潔な状態を保てそうに思っていませんか?一度口を付けただけで雑菌の増え方は想像を超えています。冷蔵庫で保存したとしても2~3日が感染して発症しない限度と言われています。キャップでまめに空気に触れないようにしても常温で回し飲みをすると感染させるには十分な細菌数に増えています。 スポンサードリンク
◇口内の細菌の種類
カンピロバクター、サルモネラは鶏肉や鶏卵を食べたあとに口内に残ります。腸炎ビブリオやノロウィルスは魚介類で口内に残る場合があります。これらは感染性腸炎の原因になるウィルスや細菌で、一度ペットボトルに口をつけた段階で数十から数百の菌が飲み口に付着したまま液体内に入ります。
カンピロバクターは100個程度の菌数で食中毒を起こす食中毒菌指定の細菌で、腹痛や嘔吐を起こして1週間程度で治癒します。長引くとギランバレー症候群を起こして手足の麻痺や呼吸困難を起こす事もありますが、極めて稀なケースです。
腸炎ビブリオやサルモネラ菌は夏に多い感染症で、菌数に比例して発症までの時間や、下痢・腹痛・発熱などの重症度が異なります。ノロウィルスは秋から冬にかけて流行します。
◇ペットボトルでの繁殖速度
これらのウィルスや細菌は微量で感染症状が現れるので、ペットボトルの飲み口に数百個の付着は当然です。ペットボトルの飲料によって繁殖速度が変わってくるので注意しましょう。
緑茶の場合はカテキンの殺菌作用が長い間続くので、1週間経過しても菌数の変化はありません。数日程度なら逆に減ります。水も数日間は塩素で消毒されるので、1週間経過しても増えません。
最も危険な飲料はブドウ糖を含んでいるもので、特に繁殖速度が速くなります。スポーツドリンクや果汁の入ったジュースなど、最近では砂糖の代わりに糖代謝しないブドウ糖・果糖・液糖を含有しているジュースやスポーツドリンクが多いので要注意です。
ブドウ糖が入っていると、当初に100個程度の細菌であっても、3日経過すると1000万個に増えます。さらに1日経過すると10倍の1億個に急増します。
◇PETボトルで牛乳を販売しない理由
ペットボトルでの牛乳販売は平成19年に厚労省が認可しましたが、現在の紙パックに充填する際に殺菌を行っているとはいえ、ペットボトルではコップに移すわけでもなく、紙パックのようにストローも使わず直接口をつけて飲むことが不衛生なので、リスクを減らすことを優先した結果、牛乳の容器は現状維持のままというわけです。
ポリエチレン(PE)のキャップでは繁殖しにくいとしても、ポリエチレンテレフタレート(PET)の材質では抗菌処理は難しく、ポリプロピレン(PP)であれば抗菌処理が可能になります。メーカーとしてはそこまで手間をかける意味がないということで、紙パックに落ち着いています。
海外の冷蔵庫ではポリプロピレン製の容器に入った牛乳が置かれています。常に5度以下で保存すればウィルスや細菌は繁殖しません。直接口をつけるわけでもないので、衛生面も問題ないということです。

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