ストレスホルモンとステロイドと発がんの関係 

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発がん抑制作用のあるNK(ナチュラルキラー)細胞がありますが、NK細胞の敵はがん細胞だけでなく、人間の肉体的、精神的なストレスによってもNK細胞の活性が激減します。ヒトはストレスに感じることが多いと、抗ストレスホルモンを分泌して免疫細胞の活性を低下させた結果、がん細胞の増殖が加速します。

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◇ストレスホルモンとNK細胞

ヒトがストレスを感じると、副腎皮質からコルチゾールという抗ストレスホルモンが分泌されます。コルチゾールというステロイドホルモンは体内の炎症など、多くの疾患防止に関わっている必要なホルモンであり、不足している時は経口投与という形で補充されます。

人間に必要なホルモンであっても、コルチゾールはNK細胞の受容体に結合する性質があり、がん細胞を殺すNK細胞を不活性化させ、結果的にがん細胞が増殖します。ステロイドが免疫力を低下させるというのは常識なので、ステロイドによる病気の治療と発がんの危険性のどちらを優先するか、という問題になります。

◇抗がん剤による免疫力低下

例えば肺がん初期の患者に対して抗がん剤を使うと、副作用によって間質性肺炎を起こします。その治療のためにステロイドを使うと、がん細胞が増殖の速度を増して急に肺がんが悪化するということが起こります。抗がん剤で免疫力が低下したうえに、ステロイドによってNK細胞が不活性化します。

また、それに加えて、患者はストレスを感じることでコルチゾールを分泌しますが、その時に副腎皮質で活性酸素が大量に作られます。活性酸素はがん退治にも使われますが、ほんの一部です。

◇免疫力とがん細胞の増殖

ともかく、免疫力が正常であれば発がんしません。なので、抗がん剤による免疫力低下やストレスによる免疫力低下だけでなく、ステロイドの投与による免疫力低下などが重なると、がんは悪化するだけです。それが原因で「抗がん剤による化学療法は逆効果だ」という化学療法否定論者の主張は間違っていないということになります。

そして、過剰な免疫反応を起こした場合や、臓器移植の際の拒否反応、自己免疫疾患などに対する免疫抑制剤の使用は、がん細胞増殖の加速と再発率の上昇を招きます。

ヒトの体内では活性酸素や紫外線などの影響を受けてがん細胞が発生しています。通常はがん細胞を見つけるとがん細胞を攻撃することで発病には至らずに済んでいます。しかし、がん細胞も免疫機能の一部を阻害する能力を持っているため、免疫力とのせめぎ合いの状態になっています。

そこで、最近開発された免疫チェックポイント阻害剤(PD-1・PD-L1)によって、がん細胞が免疫力を無効にする作用を阻害して、その部分だけに作用させることが可能になりました。NK細胞にも影響を与えず、ステロイドを使う必要もなく、T細胞の活性化を行ってがん細胞を全滅させて再発を防ぐというものです。

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