子宮頸がんの検診率、アメリカ83%・日本23%、知識不足が招く検診率の低下

byouin2

早期発見により治癒が期待できるがんが日本人の死因の1位になり、3人に1人が癌で亡くなっています。早期発見のための体制が整っているにもかかわらず、女性の患者数は乳がんが最も多く、5位が子宮がんとなっています。子宮頸がんの検診受診率はアメリカの83%に比べて日本は23%であり、予防医療に対する関心の無さが目立っています。

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◇発がん前の早期発見のために

子宮頸がん検診の際に細胞診とHPV検査が行われて、ほぼ100%の確率で、子宮頸がんを未然に防ぐことができます。HPV(ヒトパピローマウィルス)に感染後、発がんするまでの機関は5~10年ほどの余裕があります。その5~10年の間に定期検診を受けていれば、発がん前に感染が判明して抗ウィルス剤で治療が可能になります。

しかし、初期がんのステージⅠの段階で発見しても5年生存率は92.1%で、ステージⅣの末期では17.2%と極端に生存率が低下します。子宮頸がんワクチンのリスクが怖くて受けられないというのは十分に考えられますが、ワクチン接種をしない場合は定期検診は必須であって、現在では子宮頸管検診を無料化している自治体がほとんどです。

◇子宮頸がんはHPV感染が原因

子宮頸がんはHPVによって感染するということを知っている女性は10%~30%といわれているので、子宮頸がんが発がんする前に予防できることを知らないのではないか?という疑問もでています。実際に子宮頸がんとHPVの関連性がはっきりしたのは2015年なので、それまではHPVの検査をしても無意味であったことも関係しているようです。

20歳から発がん率が上がる子宮頸がんなので、20歳になれば定期検診を受ける事が望ましいのですが、日本では「時間がない・面倒」という理由で受診をしていません。次に多いのが「費用がかかる」という理由ですが、それに対しては2009年から5年おきに検診を受けられるように無料化されています。

◇自治体側の説明不足

他には「検診の受け方が分からない、症状が無いから不要、子宮頸がんを知らない」など、自治体側の広報の問題が大きいようです。子宮頸がんワクチンを定期接種にして小学生に対して半強制的に接種を行った結果、副反応の方の知識が広がっているような感じも受けます。

「子宮頸がんワクチンを受けなさい」という選択肢しか聞かされていないと子供では判断できないはずです。ワクチン接種を受けなかった場合は、20歳から5年おきに無料の子宮頸がんの検診を受けるという選択肢もありますよ。といえば、定期検診の方にしょうと自ら選択したことになるので、その場合は検診を受けない理由は何もないはずです。

行為の経験がなければ、内視鏡による検査を受けようと思う女性はいないというのも想像できます。20歳を過ぎても「検査の方法を知らないので不安」という理由も納得できます。行為の経験が無ければ自分の子宮頸部の場所を知らなくて当然です。

子宮頸がんの知識不足を指摘するよりも、国や自治体の広報の説明不足の問題が最も大きいように感じます。それが原因で日本人の検診率も低くなるわけです。

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