認知症患者の民事責任能力は? 家族に監視義務はあるのか? | 家庭医学の知識大百科「ヘルスカレッジ」~家族を大病から守るためのサイト~

認知症患者の民事責任能力は? 家族に監視義務はあるのか?

otosiyori

高速道路の逆走や歩道の侵入など、高齢者の事故が相次ぎ、75歳以上の高齢者の交通事故が10年前に比べて1.6倍に増加。75歳未満の事故率と比較すると2.5倍の多さで、認知能力や判断能力、身体能力の低下の影響が大きいと考えられています。

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◇高齢者の免許制度の見直し

事故を起こした高齢者を診断したところ認知症の症状があったことが判明。75歳以上高齢運転者標識(もみじマーク)の貼付は75歳以上が対象で努力義務という位置づけであったものの、2002年には70歳以上が対象になり、高齢者の事故増加により、2008年6月から75歳以上は表示義務が課せられる。

しかし、2009年から再び努力義務に戻り罰則がないというのが現状です。75歳以上は認知能力が低下するとは限らず安全運転を行える高齢者もいるという苦情を受けて、高齢運転者標識の扱いだけでも3回にわたって変更されるという状態です。最終的には認知機能検査が強化されて、医師の診断書の提出が義務付けられています。

病気が進行していくのが一般的なアルツハイマーや血管性認知症の高齢者なので、事故を起こした患者は運転すべきではないということは当然ですが、アルツハイマーの患者に対して医師が運転中止を進めても、相変わらず事故が減らず、危険運転や自損事故の増加により、医師が運転中止を勧告したところで運転中止を拒否するので、あとは家族に任せるしかないわけです。

◇認知症患者の法的取り扱い

家族に認知症患者の責任を押し付けたところで、1日中監視を続けることも難しく、認知症患者の責任を家族が取ることも大変な事です。運転を生きがいや楽しみにしている高齢者は歳を重ねるほど増える傾向にあります。

自ら危険性を認識して運転するわけではなく、自分の認知症の程度も分からずに運転することが最も危険であり、高齢者は加害者になるだけでなく、被害者にもなり得ます。

徘徊中の認知症患者と電車の事例もありましたが、損害賠償請求を行ったのはJR側であって、家族に対して「監督を怠った」ことを原因に振り替え輸送費など720万円の支払いを命じた一審の名古屋地裁の判決がありました。一審の判決主旨としては、認知症の患者を持つ家族ては「危険性を予見して、事故の可能性を予測できる場合は目を離してはいけない。徘徊を防ぐ対策を怠った」という理由で遺族の長男と妻に対して賠償命令。

二審の名古屋高裁では「常に監視することは難しい」という理由で長男の責任を否定、妻に対して「自立した生活を送れない者を監督する義務があった」ということで360万円の支払いを命じる判決。そして、最高裁での法律判断を待っている状態であり、遺族の監視責任が問われる訴訟の判決が変わる可能性が高いと言われています。

責任能力がないと判断された時点で免許を取り上げるべきで、家族が責任を取るようなことが起こる前に事故を未然に防ぐような対策や強制力も必要になるかもしれません。

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