ALS患者に「生きるかどうかの二択を迫る」医療後進国、日本

kossetu

進行が止まらない疾患として、いま問題になっているALS(筋萎縮性側索硬化症)の場合、全身の筋力が徐々に弱り5年前後で呼吸筋の動きが止まると呼吸機能を失いますが、筋力に影響されない五感と思考力や判断力は正常です。最終的には瞬きが出来なくなり、眼球運動ができなくなると意思の疎通ができなくなるという病気です。呼吸器を付けた場合は延命できるとしてその先はどうなるのか?という大きな法律問題が引っかかっています。

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◇発病2~5年後に生死を迫られる決断

患者数としてはギラン・バレーや多発性硬化症より認定患者が多く、症状の進行が止まる事のないALSの場合は、特に消極的安楽死の意思表示を強制される時期があります。発病して5年ほど経過すると呼吸筋が弱ってきて、呼吸器を付けない限り亡くなります。呼吸器を付けると生存期間が延長されて会話や意思表示が出来る期間は数年~10年ほど個人差はあるとはいえ、確実に生存期間は長くなります。

呼吸筋が弱ってきて呼吸困難の状態が訪れます。そのときに呼吸器を付けるかどうか?という決断を迫られます。決断を先送りにはできません。「とりあえず呼吸器を付けて、限界まで生きて苦しくなったら外す」という選択肢は今の日本の法律にはありません。

「いま死ぬか、人工呼吸器を使いながら自然死が訪れるまで延命するか選択しなさい」という選択を国が迫っているという現状ですが、医療技術は先進国並みであっても、臨床の場では医療後進国のこの国です。スイスを初めとした欧州の自殺ツーリズムに便乗するしか策はないのかもしれません。

結局、この究極の選択で70%は亡くなっていきます。

◇延命措置を行った患者はどうなる?

患者の意思や家族の意思に基づいて治療を開始しなければ消極的安楽死になりますが、「一度気管切開をして呼吸器を付けた場合に取り外すことは法的に禁止されている。生きる道を選択したのであれば自然死以外に楽になる方法はない。」と国から宣告されます。

肺機能以外は頭も体も発病前と同じなので、呼吸器を着けて延命措置を行った場合、年単位で生存期間が延びるので人間らしい生き方が出来る余地があります。しかし、人工呼吸器が着けられなかった頃は眼球運動は停止しないと予想されていましたが、完全に随意筋運動が停止して意思の疎通が出来なくなることが明らかになってきました。

そのため、その先に待っているのはTLS(Totaly locked in State)完全な閉じ込め状態と言われるものです。思考している事が明らかであっても、意思の疎通ができない植物人間のようなものです。

今では脳の代謝部分の違いによってYes、Noの意思表示は外部に伝わります。自律神経まで失っていないので、涙を流したり、顔色の変化、血圧や脈拍の変化である程度の感情を伝える事が可能です。しかし、その先に待っているものは何かわからず、それ以上のTLSに耐えられる人はいないと想像できます。

結果的に、TLSから逃れられない恐怖に勝てないと判断する患者の方が大多数で、延命措置を拒否して亡くなっていくという残酷な現状です。一時的に人工呼吸器をつけて家族と会話したり、子供と話す時間を奪ってしまうのは病気ではなく、日本の法律とそれを遵守する国民です。

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