患者の意思で延命治療を中止することは違法?

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ALSの様な進行性の疾患の場合は、「一度延命措置の選択をすれば変更はできない。」という法律が相変わらず残っているため、人工呼吸器を誰かが外す事があれば、延命治療の義務を怠った医師は民事責任に問われることになります。そこで、家族や子供と話す時間を増やすためにできることとは?

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◇積極的な安楽死の場合は?

積極的な安楽死はどれだけ患者に頼まれてもどんな手順を踏んでも罪に問われます。患者本人に頼まれても家族に頼まれたとしても、患者の苦痛がどれだけ酷くても、終末期医療であっても、合法的な積極的安楽死はあり得ません。

積極的な安楽死の場合は、がんの末期で相当な苦痛があったとしても、何もしなければ生存している患者に対して薬物投与などで楽にさせるというもので、医師の人情とも取れる行為でも、刑法でも民法でも倫理的にも医師に全ての責任が懸かってきます。事情を知らない家族が訴えるというのもよくあるパターンです。現在では強迫されても懇願されても何があろうと医師はこれだけは避けます。

◇安楽死の違法性阻却条件

積極的安楽死に関する法的な扱いとして、違法性阻却条件として6つの条件がありましたが、最新の判例では「医師が行う」という条件と「倫理的に妥当」という条件が除外されて4項目になっています。

1、患者に耐え難い肉体的苦痛がある
2.回復の見込みがなく死期の直前である。
3.肉体的苦痛の緩和を行ったが代替手段がなくなった。
4.患者の意思表示がある

この条件を満たしている場合は、積極的安楽死でも罪に問わないというだけで、容認されているわけではなく、責任問題になる可能性は残されたままです。日本では尊厳死も実質的に認めていない(尊厳死に該当するケースがない)ので、死の直前とはいえ生存権が関わってくるので、これも問題外です。

◇人工呼吸器問題では?

ALSの場合は特異なケースですが、一度延命の意思表示をしたあとに消極的な安楽死として、取り消しや中止が出来るのか?という問題になります。人工呼吸器をつけていれば、痰の吸入を定期的に行わないと窒息の危険性や肺炎で亡くなる可能性もあります。放っておけば生命が維持できない状態のまま亡くなったとしても、延命義務を怠ったとして民法709条によって遺族から訴えられると民事責任を負うことになります。

患者の意思が明確で、延命措置を中止してほしいと言われた場合にそれに従ったとすれば、「患者の意思を尊重して延命措置をしない」だけであって、消極的な安楽死にならないという考えもありますが、患者が意思表示が可能で、耐え難い肉体的苦痛がないことから、一度延命措置を取った場合は終末期にも該当しないので医師には延命義務があると考えるのが妥当かもしれません。

もし子供が呼吸器のパイプに足が引っかかって転倒したはずみで酸素が送られなくなった。という場合は誰の意図も影響せず、法的にも何の問題もないということになりそうです。

延命措置を行っても自分で中止できる限界が来れば、自らの意思で中止できるはずです。刑法では期待可能性不存在でも構わないし、民法では自己責任で済みそうです。蘇生不要の意思表示をして、あとは自分の残された時間を有意義に使うべきです。

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