帝王切開が増え続ける理由と謎

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帝王切開とは母体や胎児に異常がある時など、医学的に問題がある場合に限り腹部と子宮を切開して胎児を取り出すのが一般的ですが、現在では胎児に異常がなくても妊婦の希望だけで簡単に帝王切開が行われる時代になってきました。その背景とは?

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◇現在の帝王切開の必要性

世界的にも帝王切開が増加していると言われており、新興国では40%~50%を超えてさらに増えていく勢いです。日本では今のところ20%程度ですが、医学的に問題がある場合に限定されず、経腟分娩が可能であっても患者の希望次第で帝王切開が行われています。

基本的に破水した時点で術前に骨盤のサイズと胎児の頭部を比較して、産道を通りそうになければ帝王切開以外に手段はありません。以前の帝王切開といえばこの辺りの理由しか思いつきませんが、最近では糖尿病や高血圧の合併症が増えてきているので、その対策であればわからないこともないという程度です。

◇全身麻酔の出産は病気である

本来は「出産は病気ではない」ので自費負担分が多いのですが、緊急の脊椎麻酔で帝王切開を行うと痛みもなく腹部から取り出されます。このような出産シーンでは母親の実感はないのでしょう。そして局所麻酔の帝王切開の場合は、出産時に痛みがなくてもそのあとに痛みが訪れます。

出血が止まるまでの間はベッドから動くこともできず、最初だけはモルヒネの点滴がありますが、その後は鎮痛剤の注射と血栓防止のためにふくらはぎのマッサージや足裏を機械でたたかれたり、血栓防止剤のヘパリンの注射をされたり、出産後はひたすら痛みに耐える毎日です。

脊椎麻酔が効かなければ急遽全身麻酔に切り替えられて、気管内に挿管されたあげく麻酔医がつきっきりの状態になります。このときに頭部が少しでも下がると脊椎腔を通って麻酔液が流れ込み植物人間になるリスクもあります。

全身麻酔で腹部から取り出すのであれば妊婦ではなく、患者と呼べるかもしれません。出産後数日経過すると起き上がって会話を交わすことも可能ですが、、出産とともに痛みがなくなるわけでもなく、すぐに子供を抱けるわけでもありません。

◇なぜ帝王切開を行う必要があるのか?

妊娠時のエストロゲンの急激な変化によって、インスリン抵抗性が増して妊娠糖尿病を発症したり、妊娠高血圧の発症の危険回避や高齢出産の負担を減らすためであれば、医学的な問題ということで帝王切開が正当化されるかもしれません。

脊椎の部分麻酔であれば、痛み止めを打ってもらいながら赤ちゃんと対面することも可能です。手術の傷跡はモイストヒーリングで勝手に治ります。溶ける糸で縫ったあとは密閉できるようなシートで覆われたままで、ガーゼは使いません。

帝王切開が増えてきた理由として、「帝王切開の保険点数を多くとれるから。」というのが病院側の本音であって、全国一律22,160点(22万1600円)、32週未満の早産の切開手術では25,000点(25万円)を国保に請求できます。

患者側が高齢出産や、種々の合併症の発症を心配するよりさっさと腹部から出してしまえばリスクはないという考えが患者側にあるだけに、病院側としても反対する理由は何もありません。35歳を超えてハイリスク出産を行う必要もありません。

その半面、自分の意思で出産できなかったという後悔や、麻酔によって痛みから逃げた出産と回りから言われることもあり、「産道を通って産むほうが元気になる」などと言われることもあるようです。産道を通らないほうが感染率や事故率は低いはずですが、帝王切開の後の精神的なフォローが必要な患者も稀にいるようです。

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