
鼻の中心にあり左右の鼻腔を分けている軟骨と骨は鼻中隔と呼ばれていま通常は左右対称ですが、鼻中隔がどちらかに曲がると、狭くなった方が影響を受けて鼻詰まりを起こしやすくなります。 スポンサードリンク
◇鼻中隔湾曲症の原因と症状
成人の90%はある程度鼻中隔が曲がっているので極端な湾曲でなければ症状が出ないものです。外見上でもわかるものではないので日常生活に支障がなければ何の問題もありません。
鼻中隔の軟骨の変形や、鼻骨との接合部分が変形する事もあるので、湾曲がひどいと主な症状として鼻づまりが起きやすい症状です。鼻腔が狭い方に起きやすいものですが、広い方に起きたり、両方の場合もあり、稀に睡眠時無呼吸症候群を起こしやすくなり、いびきの原因にもなります。鼻中隔の変形は女性よりも男性に多いと言われて、いびきの多さがそれを物語っています。
呼気の流れが悪くなると細菌の繫殖や鼻粘膜の炎症により慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎の原因になることがあり、嗅覚障害だけでなく味覚障害を起こして鼻炎なのに味がわからないということも起こります。
◇鼻中隔湾曲症の検査と治療
鼻づまりとともに頭痛が起きることも多く、明らかに左右の差を感じる場合は鼻中隔湾曲症の治療を受ける必要があります。単に鼻腔の狭さだけが問題になるわけでなく、耳鼻科を受診して内視鏡や副鼻腔CTスキャンを受けない限り、湾曲の程度や部分、副鼻腔炎の有無が簡単にわかるわけではありません。
鼻中隔の湾曲が大きく、鼻づまりがひどいとき、いびき、睡眠時無呼吸、副鼻腔炎、滲出性中耳炎の悪化がある場合、またはアレルギー性鼻炎による酷い鼻づまりがあるときは、曲がっている軟骨と骨を除去する鼻中隔矯正術という手術によって鼻腔を広げることが可能です。
慢性副鼻腔炎の治療法としては、点鼻薬やネブライザー吸引、副鼻腔の膿の吸引、マクロライド系抗生物質の少量長期投与によって感染を治療します。
アレルギー性鼻炎の場合は、抗ヒスタミン剤の点鼻や、抗アレルギー剤の服用、ステロイドの点鼻薬、血管収縮剤、レーザー治療や粘膜の焼灼なども行われます。それでも改善されない場合は、最終的に骨や軟骨を切除していきます。
◇最終手段の骨や軟骨の切除方法
手術を行う際は鼻腔の奥の粘膜と皮膚を1.5~2cm程度切開した後に、メスで余計な軟骨と骨を切除して粘膜の縫合をして終わりです。入院期間は7日~10日程度ですが、鼻の痛みだけでなく、頭痛が起きることもあり、微熱が出る事もあります。
化膿しやすい体質の人や副鼻腔炎があると膿が止まらない事があるので、その場合は退院が長引きます。出血が収まるまではガーゼを突っ込まれて鼻呼吸ができない状態が続きます。鼻呼吸ができないと意外と味覚を感じないものです。そして傷口の状態で退院日が決定されます。
副鼻腔炎の膿はそれほど簡単に止まってくれません。服用期間(血中濃度が保たれている時間)に比例して効果のあるマクロライドなので、当然時間はかかります。ガーゼが取れると鼻呼吸ができるようになり、やっと退院できるという感じで、手術後の鼻呼吸ができない間はちょっと苦しいかもしれません。
鼻炎薬で一時しのぎを続けている人は手術を受ける方が良さそうです。

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