心筋炎・劇症型心筋炎 ~再生医療か心臓移植か?~

byouin2

心臓の筋肉に炎症が起きることを単に心筋炎と呼び、急性、慢性、劇症型などの種類があります。炎症が起こっている期間は数時間から数週間と幅が大きく、原因も多種で、予後に至っても完全に治ってしまうものから致命的なものまで存在します。症状が多くても、心筋細胞は分裂しないのでがんや腫瘍が増殖することはありません。

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◇風邪の症状から心筋炎を発症

風邪の症状として、発熱、咳、関節痛などの一般的な症状から心筋に炎症を起こします。軽いものでは自覚症状もなく炎症がおさまりますが、劇症型心筋炎では発熱、咳、嘔吐などの風邪の症状があらわれると数時間から数日の経過で心不全の進行があります。

倦怠感や呼吸困難、失神が起きた後に突然心停止する場合があります。症状の急な変化が原因で処置が遅れて死亡することもあり、健康だった人が突然死を起こす原因にもなります。特に0歳から30代までの突然死の5分の1は心筋炎によるものと言われています。

◇心筋炎の原因と症状

原因菌としてはあらゆる感染を引き起こす可能性があるウィルス(コクサッキ―B群)、細菌、真菌、原虫など全てを含み、サルコイドーシスなど全身性の自己免疫疾患も原因になることがあります。

その中でもウィルス感染が最も多く、心筋炎といえばウィルス性心筋炎を指します。劇症心筋炎を起こして突然死に至るケースは1万人中10人程度なので、風邪の症状が出たからといって前駆症状とは限らず通常突然死は起きません。

しかし、健康だった人が心停止に至って突然死を起こす可能性があるのが心疾患です。無症状のまま過ぎ去ると心臓の異常に気付かないまま再発することがあるので、その方が危険かもしれません。

一般的に起こる症状が、息切れが最も多く70%程度、胸痛が30%、不整脈から動悸、失神が18%となっています。複数の症状を重複して起こすことも18%ほどあるようです。

◇細胞分裂を起こさない心筋と心膜

心膜や心筋は細胞分裂を起こさないので、細胞が破壊されると元には戻りません。再生医療では心膜のシートが作られて、貼り付けると元の心膜として働きますが、破壊が進行すると再生は難しいかもしれません。

グルタールアルデヒド処理をした心筋や心膜を使うと修復は容易ですが、長年経過すると石灰化することが分かっています。今のところ、心膜の再生医療は確立しているので心筋のダメージが広がる前に心膜を再生すれば自らの細胞として機能性と耐久性が向上します。

また、2015年4月時点で「心筋組織再生に関する特許」を米国が取得したというニュースがあります。自己組織化ペプチドの投与により心臓の状態が改善されることが示されて、心筋の再生が行われるのもそれほど先のことではないようです。

◇心筋炎の検査と治療

心電図ではST-T波の変化や心室性期外収縮、完全房室ブロックによる不整脈検出によって突然死の危険性を発見することが可能です。埋め込み型除細動器(ICD)や人工心臓の代用で突然死を防ぐことができます。房室ブロックによる徐脈に対して、体外式ペースメーカーを一時的に使用したり、抗不整脈薬の投与、心筋炎にはガンマグロブリン製剤が有効です。

全体的な心不全に対しては強心薬、利尿剤、血管拡張薬による治療が行われます。

劇症型心筋炎では左心人工補助装置を取り付けて心臓の回復を期待する、または、心臓移植を待つしか選択肢がなくなることもあります。心臓移植となると米国でドナー待ちをする方が早いので、日本人は心臓移植をして帰国するというパターンが多くなっています。

2億6千万円の募金を集めて心臓移植を行っても5千万円余るというあいこちゃん。劇症型心筋炎は一人じゃないんだけどなー。

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