成人の消化管異物 危険なPTPシートの誤飲

byouin2

消化管異物は小児が70%を占めていますが、経過としては小児も成人も同じで自然排泄が多くなっています。緊急手術や開腹手術を行うことは少ないとはいえ、成人の場合は精神疾患以外ではとんでもない異物を意図的に飲み込むことがあり、穿孔などの危険度の高さから緊急手術の必要に迫られる事があります。

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◇異物の停留部分と異物の種類

成人の停留部分も食道が圧倒的に多く60%を超えています。次いで胃が16%ほど、不明(排出物中)が16%であり、排出される前に内視鏡で取ってしまう必要のある鋭利な危険物が多くなっています。

成人の消化管異物としては、後述のPTPシート(薬の一般的なシート)を含めて義歯と魚の骨などの鋭利な部分のある異物が74%、次いで窒息の原因になりそうな食物の塊20%、他にマウスピースや割り箸、ストラップ、スプーンなどがあります。

この中でも緊急内視鏡の適応になるものは鋭利な部分のあるPTPシート、義歯、魚の骨、(ボタン型電池、針、剃刀の刃など)であり、食道から引き出す際には粘膜保護のための保護膜(オーバーチューブ)を挿入して取り出しますが、魚の骨は経過観察をしないで緊急に内視鏡で取り出します。小腸まで送られた場合は腹腔鏡では見つからない場合があり、開腹手術が行われることも稀にあります。

◇PTPシートの危険と誤飲の多さ

高齢者に最も多い誤飲として、医薬品容器としてのPTPシート(Press Through Package)があります。PTPシートはプラスチックにアルミニウムを張り付けたもので、端が鋭利であるため、2錠単位で折れるように改良されましたが、それでも近年では特に高齢者がPTPシートを飲み込む事故が増えています。

1996年から誤飲の危険を減らすために1錠単位の折り目を無くす対策をしていますが、ハサミで1錠ずつPTPシートを切り離して持っている高齢者は多く、誤飲の原因になりやすく危険なものです。PTPシートの対策も意味がなくなるだけでなく誤飲事故が減りません。喉に引っかかっても自ら取り出すことは難しく危険を伴います。

◇PTPシートが穿孔を起こす危険も

食道に穿孔を起こしやすい事が大きな問題になっており、喉仏の骨の裏側に引っかかるとレントゲンでは簡単に見つかりません。緊急内視鏡で食道から引き上げるときに粘膜を傷つけやすくなっているので、オーバーチューブを使って食道の粘膜を保護しながら内視鏡でつかんで取り出していますが、もし粘膜に引っかかると穿孔を起こします。

今では胃まで届く定圧送気用オーバーチューブを使って二酸化炭素を送って胃を膨らませると、胃壁に隠れることがないので、次第に内視鏡も便利になっていますが、PTPシートの危険は残ります。

◇国民生活センターが提案する改善策

・誤飲防止のためのミシン目が入っているので、1錠ずつ切らない。
・高齢者の事故が目立つので、家族など周囲の人も気を配る。
・PTPシートを飲み込んだかもしれないと思ったら、ただちに診察を受ける。
・一回分ずつの薬を袋にまとめていれる「一包化」を活用する。

(取り出す時に薬と一緒に取れる薄いアルミニウムは問題ありません)

最近では病院の判断で、柔らかいビニール袋に1錠ずつ個別包装するということが行われています。薬局としては手間がかかることを余儀なくされています。しかし、その手数料は患者に請求されるわけです。やはり、高齢者はハサミでPTPシートを切らないでほしいものです。

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