B型肝炎治療薬とB型肝炎ワクチン不足、化血研は出荷自粛

byouin2

化学及血清療法研究所の承認申請とは異なる手順で作られたワクチン製剤と、会社ぐるみの隠ぺい工作問題で、厚労省は2015年9月に出荷自粛要請(血漿分画製剤26品目は出荷差し止め)を行っていたものの、厚労省は「代替製品がない場合、必要に応じて出荷を許可する」という対応に変更したというものです。

スポンサードリンク



◇B型肝炎患者にも厳しい年

天津大爆発の影響を受けて、B型肝炎治療薬テノゼットの原料工場は立ち入り禁止の状態が続き、供給不足は相変わらず続いています。

B型肝炎ウィルス(HBV)感染者は世界で2億4000万人にのぼり、日本では78万人がB型肝炎の悪化により肝硬変・肝がんによって死亡しています。B型肝炎ウィルスは空気中でも7日間は感染力を失わない事が影響して、注射針の回し打ちなどによって国内で40万人以上の感染者を出しています。

B型肝炎ワクチンは感染予防だけでなく、肝炎の慢性化や肝硬変、肝がんへと進展していくことを防ぐ効果があり、その有効性は95%と言われています。WHOによると出生後24時間以内のワクチン接種を推奨していますが、国内ではワクチン接種の優先度を決めてハイリスクグループのワクチン接種を行っています。

リスクの高い順に、「感染者の血液を浴びた医療関係者」、「ウィルス感染者が家族にいる乳児」、「母子感染の恐れがある新生児と乳児」となっています。

◇化血研と接種必須の各種ワクチン不足

化学及血清療法研究所(化血研)は2015年6月と同年9月に承認された製法と異なる手段で意図的に製造を行い、それを会社ぐるみで隠ぺいしたため、血漿分画製剤26品目の出荷差し止めが行われています。その3か月後の9月にはB型肝炎ワクチンの製造工程にも問題があり、厚労省は出荷自粛要請を通達したという経緯があります。

化血研が国内シェアの80%を占めているB型肝炎ワクチン供給に加え、日本脳炎ワクチンシェアでは70%、インフルエンザワクチン、4種混合ワクチン(百日咳、ポリオ、ジフテリア、破傷風)などが出荷自粛されていました。

しかし、ワクチン不足の影響は大きく、ワクチン接種スケジュールに入っている小児の半数が接種を受けられないという事態を重くみた厚労省は、4種混合ワクチンとインフルエンザワクチンの出荷自粛を解禁。しかし、40年間以上にわたって不正行為と隠ぺい工作を行ってきた化血研のイメージ低下とワクチンの信頼性まで失った結果、医療の現場では化血研のワクチンを敬遠する動きも出ています。

◇厚労省の誤算と無計画さが招いた事態

A型肝炎ワクチンも工場再開や出荷の見通しは全く立たない状態にもかかわらず、代替商品もないことから「安全性や品質のチェックを経て」化血研に対する出荷制限を解除する方向で動かざるを得ないという状況になっています。A型ワクチンは化血研が100%独占状態にあり、日本脳炎のワクチンも36%のシェアを占めていると言われています。

厚労省は他の薬品会社などに増産を依頼するなどの計画を立てているというものの、ワクチンの製造には時間がかかるため、ワクチン供給の見通しがまったくつかず、安定供給が期待できない状況です。2016年初頭には各種ワクチンの在庫が底をつく医療機関が増えています。

ワクチン不足を招いた原因は、結果的に「品質と安全性では問題のない化血研製のワクチン」の出荷自粛勧告を行った厚労省のミスであり、代替品の製造の見込みがないまま出荷自粛を行い、海外からの輸入も許可しないという態度では何の解決にもなりません。

一部の医師は供給不足の対応に追われ、仕方なくワクチンの個人輸入を行い、接種するという手段をとっています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサードリンク







関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

スポンサードリンク

お役に立てたらいいね!

ページ上部へ戻る