痙縮(けいしゅく)の症状と治療法

kossetu

脳梗塞などの後遺症として起こることがある症状の一つに痙縮があります。自分の意志で動かしている随意筋が緊張して縮んでしまうと、本人の意思通りに筋肉をコントロールすることができなくなります。手足が曲がりにくくなったり、意思に反して勝手に筋肉が動いてしまうということが起こります。

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◇痙縮が起こる原因と症状

脳梗塞や脳出血、脳性麻痺、多発性硬化症、外傷による脊髄の損傷の後遺症として、脊髄反射によって筋肉に力が入ったままの状態になることがあります。反射によって曲げ伸ばしが難しくなる事や、意思に反して動いてしまう事があります。

脳梗塞などにより一部の中枢神経の伝達不良が起こると、中枢神経による反射運動の抑制が行われなくなります。単なる脊髄反射によって反射的に筋肉の収縮・拡張が起きると、それまでに自分の意志で動いていた随意筋が思い通りに動かなくなり、長期間その状態が続くと上肢は曲がり、下肢は伸びきった状態のまま筋肉や関節が固まります。

脳性麻痺も重度の場合は、痙縮と同じように上肢が曲がったまま固まります。両手を広げて固まることはありません。足首も反らせたままになり、通常の歩行も難しくなります。

この固定された状態は拘縮(こうしゅく)と言われ、中枢神経から全身の筋肉の反射を抑える信号が届かなくなり、痛みも持続します。曲がったままの状態が続くと神経が圧迫されることがあり、完全に麻痺すると四肢の壊死も起こります。

◇痙縮による部分的な拘縮予防

上肢・下肢、その他、呼吸筋やなどの随意筋に痙縮がみられた時点で抗痙縮薬(筋肉弛緩剤)を使って薬物治療が行われるのが一般的で、拘縮を起こす前にできるだけ早く治療を始めると後遺症もひどくならずに済みます。

具体的な治療法として、部分的な攣縮であれば局所に限定したMAB法(muscle afferent block)による筋肉の神経をフェノールやアルコールの注射で部分的にブロックします。長期的に筋肉の収縮を抑えることで、筋肉を融解して部分的に痛みを取ります。

同じような治療法として、ボツリヌス毒素(商品名:ボトックス)を目的の筋肉内に注射すると、神経の終末に作用して筋肉の緊張を部分的に抑えます。ボトックスの注射は眉間のしわを取る目的で使われていましたが、副作用の心配がほとんどないため、現在では適応範囲が広がり痙縮や顔面麻痺の治療にも使われています。

これによって固まっていた筋肉や関節が柔らかくなり、リハビリや日常生活の動作が楽になり、疼痛の緩和が期待できます。

◇痙縮による全身性の拘縮予防

バクロフェンという抗痙縮剤を髄腔内に継続して注入すると全身の筋肉に効果がありますが、ポンプの埋め込みが必要になります。全身性の症状では他に手術の選択肢もあり、重症の場合は神経の切断を行うという不可逆的な手術も考えられます。

脳梗塞や脳出血を起こした患者135万人の後遺症として、約3分の1に当たる55万人が痙縮を起こしていると言われています。

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